自宅に係る住居手当 地方も廃止を 総務省

2009年08月27日 11:00

 総務省は国家公務員の給与改定に関する取扱いを人事院勧告通りに行うとともに、給与の構造改革を継続推進することを8月25日、閣議決定したことを受け、地方公務員の給与改定についても、総務事務次官名で、都道府県を通して全国の地方自治体に対し、「国同様、行政の合理化、能率化を図るともに、地域においての民間給与などの状況を勘案して、適切に対処するよう」通知した。

 また、自宅居住者に対しても支給されてきた「自宅に係る住居手当」は国民感情からもなじまず、批判が出ていたことも背景にあり、国家公務員に対しては「廃止する」こととなったが、地方公共団体においても、「廃止を基本に見直しを行うよう」求めている。ある地方の県職員の場合、自宅居住者に対して住居手当として月額4300円が支給されている。通知が届けば検討する意向だ。

 このほか、総務省では「国家公務員や民間の給与水準を上回っている地方公共団体の場合には単純に国の改定に準じるのでなく、不適正な給与制度や運用の見直しを含めて、必要な是正措置を速やかに講ずるよう」特に要請している。

 また、月例給の改定に伴う調整についても「4月からこの改定の実施日の前日までの期間に係る官民較差相当分を解消するため、12月期の期末手当において所要の調整措置を講ずることとされているので、地方公共団体においても国における取扱いを基本として、適切に対処すること」「人事委員会の調査結果による地域の民間給与の支給月数を上回ることのないよう適切な改定を行うこと」「人事委員会を置いていない市及び町村については、都道府県人事委員会における公民給与の調査結果等を参考に適切な改定を行うこと」などを要請。

 「特殊勤務手当、通勤手当など諸手当の支給に当たっても、一般行政職のみならず職種全般について点検し、制度の趣旨に合致しないものや不適正な支給方法については、早急に是正すること」「級別職務分類表に適合しない級への格付けその他実質的にこれと同一の結果となる不適正な給与制度・運用については、速やかに見直しを図ること」「級別の職員構成については、職務給の原則にのっとり職務実態に応じた厳格な管理に努め、上位級の比率が過大である場合には計画的に必要な是正措置を講じること」「合併後においても、引き続き、住民に十分な支持と納得が得られるような給与制度・運用となるよう積極的な取組みを行うこと」「人口5万人未満の市町村で、国における地域手当の指定基準により判断できない市町村にあっては、地域手当の支給対象としないこと」「時間外勤務手当の支給割合等の改定に当たっては、国家公務員と同様、業務の改善・効率化により時間外勤務の縮減を図り、行政コストの増加を招かないよう努めること」など個々の見直しをあげ、点検、是正を求めている。
(編集担当:福角忠夫)