世界不況以降、節約志向の広がりとともに、価格の安さで注目されるプライベートブランド(PB)商品市場が急速に拡大している。これを受けて、農林水産省では社団法人食品需給研究センターを通して食品製造業やスーパーマーケットなど小売業を対象にPB商品の企画開発や製造、流通の実態調査に乗り出すことになった。
今週にもPB商品の生産動向や販売動向などを知るためのアンケート調査書を食品製造業者約500社、スーパーマーケットなど小売業者300社に対して発送する。
PB商品の実態調査は初めてで、農林水産省では「PB商品の取組で小売業等におけるコンセプト・開発方法や販売戦略、小売業等と食品製造業の提携方法、原料調達から販売におけるコスト削減の方法等を調査・分析し、経営課題の整理を行いたい」としている。
また、食品需給研究センターを通して9月から食品製造業者約10社とスーパーマーケット数社を対象にヒアリングを実施する。
このほか、国内の主要な食品製造業者約1800社を対象に「収益性、効率性、安定性など経営分析を行い、経営指標を作成するとともに、経営規模、業種、地域による差異、時系列にみた変化とその要因について分析し、これら業種の現状と課題についてとりまとめを行う」としている。
農林水産省ではこうした実態調査で得られた情報は食品関連産業の施策立案の基礎データとして活用するとしており、結果については来年3月に公表する予定。
(編集担当:福角忠夫)