日本経済団体連合会は8月30日投開票で実施される総選挙を「この国の将来を左右する重要な政策選択の機会」と位置づけるとともに、「政治がリーダーシップを発揮し、少子化、高齢化、人口減少社会に対応するための諸課題に不退転の決意で取り組むことを強く求める」との「アピール2009」を発表した。子育てに優しい社会の実現のため、国民の意識改革にまで踏み込んだ内容になっている。
アピール2009は大きく分けて3つの柱からなり、第1点に「人的資源立国の実現」をあげている。具体的には(1)子育てに優しい社会の実現に向けた国民の意識改革の推進、財政支援と保育サービスの拡充 (2)ワークライフバランスの確立による多様な人材の活用、柔軟な働き方の推進 (3)総合的な推進体制の下での外国人材・留学生の受入れ拡大と制度整備 など。
第2点に「新しい時代に対応した戦略的な需要の拡大」をあげ、(1)豊かな国民生活の実現に資する医療・介護・育児サービスの充実 (2)国際的なプレゼンスの向上と地域経済の活性化に資する観光立国の実現 (3)商工業との連携による国際競争力のある農業・食品産業の確立などを要求。また、アジア地域における経済統合の推進と域内の有効需要の創造や産業技術力の強化を通じた新たな成長分野の創出をあげた。
第3点に「磐石な行財政基盤の確立」をあげ、経団連が以前から実現を求めている(1)道州制推進基本法(仮称)の早期制定と道州制導入に向けた政治・行財政の改革(2)電子行政の推進と業務革新による効率的な行政の確立と国民の利便性の向上 (3)税、財政、社会保障の三位一体改革の推進(全ての世代において安心を実現するための社会保障制度のグランドデザイン確立と、消費税の引上げを含む税制抜本改革)などの実現を求めている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集担当:福角忠夫)