道州制導入など10項目を各政党に提起 経団連

2009年07月14日 11:00

 日本経済団体連合会は次期総選挙に各政党が政権公約に「経済危機克服への責任ある対応と民間主導による成長力の強化策の推進」をはじめ「都道府県を廃止し、全国を10程度の広域自治体に区分する道州制導入に向けて道州制推進基本法を制定すること」など10項目にわたる政策優先事項を盛り込むように期待するとして、優先事項を提起した。

 特に、道州制については、基本法を制定するとともに、総理を本部長とした道州制推進本部を立ち上げ、道州制導入に伴う課題を3年以内に審議・決定し、2015年の導入を目途に取り組むべき、と目標年次を明記するなど、導入を強く求める姿勢が浮き彫りになっている。

 経団連は今回の提起にあたり「日本は世界同時不況の直撃を受け、未曾有の危機に直面している。雇用不安に加え、少子化・高齢化の進行、深刻な財政赤字、社会保障制度に対する不信と国民は将来への展望を失いかけている」と危機感を表明するとともに、「将来を見据えた大胆な政策を国民に示し、不退転の決意で経済社会の改革を推進することが、政治の責務である。次期総選挙では、まずもって各党がこうした危機意識を共有することを求める」と党利党略を超えて、共通の政治課題として、提起する事項に取り組むよう求めている。

 加えて、次期総選挙では「政策項目ごとに実行主体、取組方法、工程表等を明記するとともに、可能な限り定量的な目標を提示し、有権者の審判を仰ぐべきである」と具現化するためのプランを示して選挙に臨むべきとしている。

 提起した事項は(1)当面の危機克服への責任ある対応と民主導の成長力強化策の推進(2)安心で持続可能な社会保障制度の確立と抜本的な少子化対策の推進、消費税を含む税制抜本改革・財政健全化(3)民間活力の発揮を促す規制改革・民間開放、電子行政の実現と経済法制等の整備(4)産業の国際競争力強化に向けたイノベーションの推進(5)環境と経済、エネルギー安全保障のバランスの取れた責任ある環境・エネルギー政策の推進(6)公徳心をもち心豊かで個性ある人材を育成する教育改革の推進(7)雇用のセーフティネットの強化と雇用・就労の多様化の促進(8)道州制の導入に向けた「道州制推進基本法」の制定と農業、観光振興等を通じた魅力ある経済圏の確立(9)グローバル競争の激化に即応した通商・投資・経済協力政策の推進と国際通商ネットワークの構築(10)戦略的な外交・安全保障の推進と憲法改正に向けた合意形成の10項目。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)