近ツーなど3社に排除命令 修学旅行で申し合せ

2009年07月13日 11:00

 旅行業界大手の日本旅行、JTB中国四国、近畿日本ツーリスト、東武トラベル、トップツアーが岡山県岡山市内の市立中学の修学旅行に係わり、貸し切りバスの代金をはじめ宿泊費や企画料、添乗員費用などで申し合わせを行い業界での競争を実質的に制限していた、として5社のうち、近畿日本ツーリストと東武トラベル、トップツアーの3社に対し公正取引委員会は7月10日、排除命令を行った。

 日本旅行とJTB中国四国は公取に対し減免申請を行い、今回の事案の調査についても協力をするなどしていたことから、協力度合いなどを含め自浄できると判断し、排除命令対象から外れた。

 近畿日本ツーリストは同日、吉川勝久取締役社長名で排除命令を受けたことを同社ホームページで広報するとともに、「コンプライアンス体制の整備と社内教育を進めてきたが、このような事態を招き、お客様、株主の皆様をはじめ関係の皆さまに心配と迷惑をおかけしましたことを深くお詫びします。今回の結果を厳粛に受け止め、再発防止の徹底に努めたい」とのコメントを発表した。

 公取の調べによると、5社は2007年4月7日ころ、2009年度以降に実施される市立中学校の修学旅行について、貸し切りバス代金の額について、1台につき、九州地方への旅行では利用日数が3日間の場合は24万円以上。3日以内の場合は1日あたり8万円以上にすること、企画料金の料率は3%以上にすること、添乗員費用の額は貸し切りバス2台につき添乗員1人を配置し、生徒1人あたり210円以上とするなどの内容で合意していた、としている。

 また、昨年8月8日ころ、2010年度以降に実施される就学旅行についても九州地方への旅行については貸し切りバス1台につき、利用日数が3日間の場合は25万円以上、利用日数が3日未満の場合は1日あたり9万円以上とするなどの申し合わせで合意していた、と指摘。こうした合意は2007年4月7日から今年1月27日まで生きていた、として違法状態を改善するよう命令を行ったもの。

 旅行業界では2009年春から夏にかけて実施される修学旅行の見積は2007年10月から11月までに学校に提出しており、この見積額をベースとして実際の契約額を決定している。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)