日本水産に食品表示で農水省が改善指示

2009年06月16日 11:00

 農林水産省は日本水産(ニッスイ)が昨年4月頃から今年2月頃までの間、調理冷凍食品(商品名・ずわいがにコロッケ)の原料にベニズワイガニを使用しながら、「ずわいがに」と表示して消費者に約281トン(6個入り1パックで85万2000パック)を販売していた、として、6月15日、JAS法に基づいて改善を指示した。

 指導内容は同社が販売している全ての食品について直ちに表示の点検を行うとともに、不適正表示の食品が発見された場合には品質表示基準に従った適正表示に是正のうえ、販売すること、また、今回の問題発生原因の究明と再発防止の徹底、全役員と従業員への品質表示制度への啓発と徹底などを講ずるように指示。7月15日までに大臣あてにこれらの指示に対する対応措置を報告するよう求めている。

 また、公正取引委員会は景品表示法に違反するとして、同日、排除命令を同社に対して行った。

 日本水産では該当する商品は特定事業者に対してのみ販売する商品で、平成8年頃から特定の会員制宅配事業者への留め型商品として販売してきた。過去2年間に約41万パック、8400万円相当を販売した。今回、当社の方から2月20日に、(当該商品について)優良誤認のおそれがないか、公正取引委員会に問い合わせたもので、経緯の説明など2月26日から説明を開始し、4月1日に景品表示法被疑事件として取り扱う通知を受けた、としている。この件について、同社は「真摯に受け止め、今年5月販売分より『紅ずわいがにコロッケ』に商品の名称を変更した。また、(今回指摘された該当商品)約2000万円相当分の既存商品は誤出荷を防ぐため全て破棄した」と文書で公表した。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)