寒天オリゴ糖にヒトの膝関節痛緩和効果

2009年06月01日 11:00

 寒天オリゴ糖にヒトの膝関節痛を改善する効果のあることが、タカラバイオのプラセボ対照二重盲検試験(有効性評価においてプラセボ効果=思い込み効果=の影響を除く目的で、被験者にも試験医師や担当者にもプラセボ食・試験成分を含まないものと被験食との区別がつかないように行う試験方法)で明らかになった。

 プラセボ対照二重盲検試験では膝関節の痛みを自覚する35歳以上70歳以下の成人42名(男性17名、女性25名)を対象に、1日あたり200mgの寒天オリゴ糖摂取群と1日500mgの寒天オリゴ糖摂取群、1日あたり1500mgのグルコサミン摂取群、プラセボ食摂取群の4群に無作為に割り付け、各試験食をカプセル剤の形態で毎日1回、8週間摂取。摂取前と摂取4週後、摂取8週後にアンケート調査で膝関節痛や被験者のQOL(生活の質)の評価を行った。

 その結果、1日あたり200mgの寒天オリゴ糖摂取群と500mgの寒天オリゴ糖摂取群は8週間の摂取で膝の痛みの程度が軽くなっていた。また寒天オリゴ糖の摂取によって、階段の昇降、立ち上がりやしゃがみこみ、着替えや家事など日常生活の困難度合いの改善が認められた。

 同社はこうした結果から「寒天オリゴ糖には膝関節痛を持つ人に対して、痛みの改善作用やQOLの改善作用があることが明らかになった」としている。

 寒天オリゴ糖は寒天の主成分であるアガロースを酸分解することによって得られる2糖~8糖のオリゴ糖で、ガラクトースと3・6―アンハイドロガラクトースが交互に繋がった構造を持つ。同社バイオ研究所が培養細胞を用いた実験でも、寒天オリゴ糖が組織の炎症に関わる一酸化窒素やプロスタグランジンE2、炎症性サイトカインの産生を抑制し、寒天オリゴ糖を経口投与した動物実験で関節炎やアトピー性皮膚炎などを抑制することを明らかにしていた。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:南)