木材需要拡大へ 農林水産省が動く

2009年04月24日 11:00

 昨年9月以降の世界的な金融危機を背景に国内住宅着工の減少が目立ち、国産材の需要が大幅に減退。このため、国内の木材業界が厳しい状況に追い込まれているとして、農林水産省は木材需要の拡大を図るため、政府全体で木材利用を推進するよう働きかけるともに、4月23日までに、全国の知事会、市長会、町村会に対し、公共施設などに木材を利用するよう要請した。

 また、木材需給ギャップの解消を図る一環として、国有林の立木伐採や販売時期の先送りを行うとともに、主要原木市場の集荷状況のモニタリングを実施する。このほか、農林漁業信用基金による緊急相談窓口を設置する。

 同省によると、国産材ヒノキ(丸太)の価格は昨年11月以降急激に下落し、11月時点では1立方メートルあたり2万3800円だった価格は今年3月に2万200円となり、平成18年9月以来、総じて下降している。同様にスギ(丸太)も1万2000円だった価格は3月には1万700円に。カラマツ(丸太)も1万500円が、3月には9900円と1万円を割った。