教員採用試験 更に改善策に取組む73%の県市

2008年09月25日 11:00

 大分県教育委員会の教員採用をめぐる贈収賄事件を受けて、文部科学省では採用方法に透明性を欠き、信用を失墜している教員採用のあり方について、64都道府県・指定都市教育委員会を対象に調査した内容を8月29日現在でまとめ、公表した。

 すでに61の県市は、何らかの改善を行い、今後改善を図ることとしている項目についても、45の県市が取り組む意向を表明していた。また、管理職についても、37県市が何らかの改善を図り、47県市が今後、更に改善を検討すると報告している。

 事件後の改善で最も多かったのは、試験の各段階での不正防止のチェックで、50県市にわたった。次いで、試験問題や解答、配点の公表(一部公表を含み49県市)、採用選考基準の公表(一部公表を含み39県市)、成績の本人への開示(請求があった場合を含み、35県市)。また、先の大分県教委の不正事件では、証拠隠滅の作為があったのではないかとも疑われる関係文書の破棄問題があったが、こうした関係文書の適切な保存をあげた県市が30あった。また、面接試験の公正を確保するための改善策が16県市で行われていた。

 試験問題や解答、配点の公表について、今後、さらに改善を検討するとした県市は17。採用選考基準の公表の検討をあげたところは27。成績の本人への開示の検討が19。各段階での不正防止のチェックが15。公正な面接の確保策を検討するが15。関係文書の適切な保存の検討が12などになっていた。

 文部科学省では、調査結果を踏まえて、より厳正、公正を期すよう、改善をすすめるように指導していく、としている。

 改善策の中で、北海道では今年度から教養検査に加え、専門検査の解答や配点を公表することにした。青森県でも22年度採用選考から、解答と配点をホームページで公表する。岩手県では22年度試験から論文と教職専門、教科専門試験の配点を募集要項で事前に公表するとしている。秋田県では、今年度から小問ごとの配点まで公表する。京都府では筆記試験の解答と配点を全て公表する。奈良県は解答を2次試験発表後の9月末に公表する(予定)。愛媛県では22年度採用選考から1次試験の修了後に、問題用紙の持ち帰りを認める。