世界中で今格安航空(LCC)の攻勢が続いている中、アジア最大の格安航空会社エア・アジア(マレーシア)は、ANAホールディングス<9202>とのLCC合併事業を解消する方針を固めた。
エア・アジアは、2012年8月1日エア・アジアジャパンとして、鳴り物入りで、国内市場に参入してきた。当時アジア最大のLCCが、日本にやってくるとその期待は大きく、話題を呼んだ。
しかし利用率は思ったほど伸びず64%と、他のLCCと比べて低い数字を示している。こうした状況に、ANAは合弁会社を、100%子会社した同社系列のピーチ・アビエーションとのブランド一本化を検討しているようだ。
LCCにおいては、2012年3月1日に出資した関西国際空港を拠点にしたANA系のビーチ・アビエーションが、利用率78%とエア・アジアを上回っている。また日本航空が2012年7月3日出資したジェットスター・ジャパンも利用率72%といずれもエア・アジアジャパンを上回った。4月になっても50%台上昇の兆しが見られなかったことで、今回の一本化構想につながったといえよう。
利用率低迷の理由としては、一つは、ネット予約システムの、使い勝手の悪さがあげられる。他社と比べて、時間がかかる英語の表現が多いことなどで、リピーターが広がらなかった。日本の航空販売については、旅行会社軽油が一定割合あるにもかかわらず、ネット予約だけに固執したこともマイナス要因だった。
エア・アジア航空は、東南アジアでは大成功しており、格安航空としては世界最大級の実績がある会社である。そうしたアジアでの手法が日本では通じなかったようだ。(編集担当:犬藤直也)