国土交通省前北海道局長が7月4日、起訴されたことを受けて、国土交通行政のトップとして冬柴鐵三・国土交通大臣は大臣として受け取る給与の3か月分を国庫に返納することを決め「7月10日、手続きの書面にサインした」と記者会見で語った。
大臣は「事実関係は今後公判において明らかになっていくものではありますが、現に世間をお騒がせし、国土交通省の信用が損なわれていることから、今この段階で、私は国民に対するおわびの意味を込めて給与の自主返納を行うこととしたものです」と心境を語った。
合わせて、大臣のほか、担当の松島みどり・副大臣、山本順三・政務官においても、政治家として、給与の1ヵ月分を自主返納することにしたことや、逮捕・起訴の一連の事案における事務の監督者として、春田謙・事務次官、宿利正史・国土交通審議官、増田優一・官房長も、給与の10分の1を1ヵ月分、国庫に返納する、と伝えた。
この事件は2005年から2007年に国土交通省北海道開発局が発注した河川改修工事の入札で官製談合が行われ、これに北海道局長だった品川守容疑者(58歳)が係っていたとして逮捕、起訴されたもの。事件発覚当初から、冬柴大臣は国民への責任を取りたいとして、給与の自主返納を表明していた。