熊本県黒川温泉地区など 美しいまちなみ大賞に

2008年05月21日 11:00

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  村上市旧町人町(黒塀1枚1000円運動も展開され、市民基金による町屋の再生や昔ながらの景観づくりがすすんでいる、という。写真は環境省発表資料から)

 平成20年度都市景観大賞「美しいまちなみ大賞」に新潟県村上市の旧町人町・旧武家町地区と熊本県南小国(みなみおぐに)町の黒川温泉地区が選ばれた。6月2日に開かれる日本の景観を良くする国民運動推進会議全国大会で表彰される。都市景観大賞は日本の景観を良くする国民運動推進会議が主催、国土交通省、農林水産省、環境省が特別協力して実施されている。

 審査講評によると村上市旧町人町・旧武家町地区は「かつての町人町の記憶をとどめる商家を市民の手で保持し、季節毎のイベントで来訪者に公開している活動は全国の同種の運動のさきがけになっている。町屋再生プロジェクトにおいては基金による助成のほかに、古材バンクをつくり柱、板、瓦、建具を蓄えておき、可能な限り、これらを活用し景観の再生に役立てるとともにコストダウンを図る取り組みは特筆に値する」と評価している。

 現在、旧町人町には伝統的な町屋が370棟あまり、旧武家町には武家屋敷が11棟残っているという。

 南小国町黒川温泉地区については「黒川全体をひとつの旅館とみなし、道はその廊下であるという黒川―旅館というコンセプトのもと、公共と住民が一丸になって地区整備を行い、総合的な街づくりをめざしている。ひとつひとつは素朴だが、周辺の農地までを含めた地区全体の景観整備を行うことが黒川温泉の繁栄と地域活性につながるという意識が共有されており、プロセス重視の成果が評価できる」としている。