結婚情報サービス業の事業者数と市場規模

2008年05月15日 11:00

 サービス産業生産性協議会では現在、結婚を望む独身者が安心して結婚相手紹介サービス業を利用できる環境づくりのため、認証制度の創設準備を進めており、認証のガイドライン案などを公表中だが、こうした動きの元となった調査が経済産業省が昨年9月に実施した結婚相談業・結婚情報サービス業における苦情・相談内容に関する調査だった。

 それによると、結婚相談業や結婚情報サービス業の事業者は3700社から3900社あり、その7割近くは個人経営になっている。会員数は60万人。売上高は500億から600億円市場になっている。事業者が提供するサービスで最も多かったのは(サンプル数525社でみると)お見合いの立ち会い(78・7%)で、お見合い機会の設定(76・2%)、成婚までのフォローアップ(72・4%)、交際上の悩みに関するカウンセリング(71・4%)だった。また、異性と付き合うためのアドバイス(66・1%)やパーティの開催(59・8%)も多かった。

 実際に会員になった男女(1009人)に入会後の満足度を尋ねた回答では期待以上、期待通りという回答が男性で1割、女性で11・4%あったが、期待はずれも男性で13・2%、女性で10・1%あり、やや期待はずれという回答とあわせると男性の47%、女性の46・9%が満足していない実態が浮かんでいた。

 一方、事業者側(回答の525事業者)のうち、52%が「入会希望者が過剰な期待をしすぎる」ことを課題にあげるとともに「出会い系サイトなどとのサービスと混同され、不信感を抱かれること」(45%)を指摘する事業者も半数近くにのぼっていた。

 利用者からの苦情・相談の内容で最も多かったのは「解約時の苦情相談」で42・8%、ついで「相談・サービス以外の面での苦情」が33・7%、「サービス内容に関する苦情相談」が27・2%、「事業者の対応に関する苦情相談」が21・9%、「契約書や条件に関する苦情相談」が21・6%、「返金に関する苦情相談」が17・6%の順で多かった。

 解約時の苦情では「解約金を求められる」「解約金が高い」「解約ができない」「解約に条件が付けられる」などがあがっていた。また、返金に関する苦情では「返金されない」や「返金額が少ない」などがあった。

 サービス産業生産性協議会では、こうしたトラブルを防ぎ、安心して利用できる環境づくりを行うとともに、産業として健全な成長につなげていきたい意向だ。