FOMC待ちの薄商いで貧血気味で、朝に弱い低血圧の相場を襲った「バーナンキ・ショック」
前週14日のNYダウは105ドル安。FOMC前の様子見ムードに加え5月の鉱工業生産、ミシガン大学消費者態度指数が市場予測を下回るなど経済指標もパッとせず利益確定売りに押された。ドル円は一時93円台をつけ、17日朝方の為替レートはドル円が94円台前半、ユーロ円が125円台後半だった。
日経平均は102.15円安の12584.37円でスタートし12549円まで下げるが、その後はTOPIXがいち早くプラスになり、日経平均は先物に合わせて数値がピョンピョン跳ぶ乱高下を繰り返しながら上昇。それも午前9時台のうちにプラス圏に浮上して安定し、為替の円安進行とともに12700円台、12800円台と値を切り上げる。後場は為替がほとんど動かなくても日経平均が12900円台に乗せ、大引け9分前には13000円にタッチし、終値は346.60円高の13033.12円で高値引け。TOPIXは+28.27の1084.72。薄商いが進んで売買高は25億株、売買代金は3月29日以来の2兆円割れで1兆9838億円だった。
東証1部33業種別騰落率は不動産と空運がマイナスに。プラス下位は卸売、証券、その他金融、電気機器などで、プラス上位はその他製品、ゴム、ガラス・土石、水産・農林、化学、石油・石炭などだった。
17日のNYダウは109ドル高。18日からのFOMCを前に量的緩和の行方について憶測が乱れ飛ぶ。18日朝方の為替レートはドル円は94円台半ば、ユーロ円は126円台前半だった。
日経平均は17.97円安の13015.15円で始まり、13006円を底にプラス圏に浮上し13100円台に乗せるが、9時半頃に先物主導で下落してマイナス圏まで下げる。いったん元に戻ったが、10時半頃からも同じようにマイナス圏に下落すると13000円を割り込んだまま前場を終えた。後場は13000円をはさんで上下せわしなく動く方向感が定まらない展開で、ほとんどの時間はマイナス。終値は、日経平均は25.84円安の13007.28円で小幅安だが3日ぶり反落。TOPIXは+1.68の1086.40と3日続伸。売買高は24億株、売買代金は1兆9258億円で薄商いが続く。
値上がりセクターは海運、鉱業、保険、証券、石油・石炭、電気・ガスなどで、値下がりセクターは繊維、陸運、医薬品、非鉄金属、倉庫、パルプ・紙などだった。
18日のNYダウは138ドル高。5月の消費者物価指数(CPI)、住宅着工件数は市場予測を上回って好調だったが、それより「FOMCはマーケットフレンドリーな結果になる」という見方が広がったことが大きい。19日朝方の為替レートはドル円は95円台後半、ユーロ円は127円台後半で、円安が進行した。
日経平均始値は225.80円高の13233.08円。13300円台は寸前でタッチできず高値もみあいの小動き。だが前引け直前には13200円を割り込み、後場も上値が重いまま13100円台で推移する。13107円まで下げた後、2時台に入ると日経平均はジリジリ上昇して13200円台を回復し、終値は237.94円高の13245.22円だった。TOPIXは+20.17の1106.57。売買高は28億株。売買代金は2兆1172億円で、3日ぶりに2兆円台を回復した。
業種別騰落率では鉱業1業種だけマイナス。プラス上位は鉄鋼、海運、卸売、情報・通信、保険、非鉄金属などで、プラス下位は水産・農林、電気・ガス、精密機器、空運、食料品などだった。
19日のNYダウは206ドル安で3日ぶり反落。FOMC後の声明は量的緩和政策堅持だったが、バーナンキ議長が記者会見で「経済指標が年率2%のインフレ目標などと整合的であれば、現時点で年内に証券購入のペースを緩やかにするのが適切と考える」「これはFOMCのコンセンサス」「来年前半を通じてゆっくりしたペースで証券購入の減額を進め、年半ばで終了させたい」と発言。「バーナンキ・ショック」で為替はドル高円安が進行し、20日朝方の為替レートは96円台後半、ユーロ円が128円台前半になっていた。
日経平均は143.37円安の13101.85円で始まる。30分足らずで13000円を割り込んで12966円まで下げるが、底を打って13190円まで上がる。後場は13100円前後で安定していたが、午後2時前から再び下落して13000円を割り込む。その原因は中国とインドの突然の金融不安。日経平均終値は230.64円安の13014.58円で、大引けでは13000円台を維持した。TOPIXは-14.76の1091.81で5日ぶりに反落。売買高は28億株、売買代金は2兆2962億円だった。
業種別騰落率のプラスは水産・農林、空運、陸運、食料品、非鉄金属の5業種のみ。マイナス幅が大きいのは不動産、鉱業、その他金融、証券、医薬品などだった。
20日のNYダウは今年最大の353ドル安で15000ドル割れ。バーナンキ・ショックは深刻で、先進国、新興国を問わず株安、債券安、通貨安が地球を周回し、リスクオフで原油価格も金価格も下落した。21日朝方の為替レートはドル円が97円近辺、ユーロ円が128円台前半だった。
日経平均始値は226.71円安の12787.87円だったが、下げても12702円まで。次第に下げ幅を縮め、午前11時前には12800円台に乗せて11時すぎには12900円にも乗せる。後場の午後1時半すぎに13000円の大台を回復してプラスに浮上するとすぐに13100円台に乗せ、午後2時台には13200円台に乗せて13330円まで上昇するという順調な上昇カーブを描き、215.55円高の13230.13円で今週の取引を終えた。株安の地球周回に東京市場が待ったをかけ、今週は3勝2敗と勝ち越して543円高と5週間ぶりのプラスになった。TOPIXは+7.59の1099.40。売買高は33億株、売買代金は2兆7987億円で、売買高が5日ぶりに30億株を超えるなど商いも回復をみせている。
値上がりセクターは小売、パルプ・紙、医薬品、精密機器、倉庫、情報・通信などで、値下がりセクターは空運、鉱業、海運、証券、鉄鋼、不動産などだった。(編集担当:寺尾淳)