【日経平均】株安の地球周回を東京市場が止めて215円高

2013年06月21日 20:12

 NYダウは今年最大の353ドル安で15000ドル割れ。大方の予想を覆して緩和マネーの供給途絶への行程表を示したバーナンキ・ショックは深刻で、先進国、新興国を問わず株安、債券安、通貨安が地球を周回し、リスクオフで原油価格も金価格も下落した。6月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、5月の中古住宅販売件数は好調でも、完全にマスクされていた。米ドルだけが高くドル円は一時98円台になったが、21日朝方の為替レートはドル円が97円近辺、ユーロ円が128円台前半で徐々に円高方向に戻していた。
 
 取引開始前の外資系証券経由売買注文状況観測は6日ぶりに売り越しで、日経平均始値は226.71円安の12787.87円だったが、下げても12702円まで。先物の最安値も12680円で、1週間前の14日のSQ値12668円はやはり下値支持線として機能している。次第に下げ幅を縮め、午前11時前には12800円台に乗せて11時すぎには12900円にも乗せる。後場の午後1時半すぎに13000円の大台を回復してプラスに浮上するとすぐに13100円台に乗せ、午後2時台には13200円台に乗せて13330円まで上昇するという順調な上昇カーブを描き、215.55円高の13230.13円で今週の取引を終えた。株安の地球周回に東京市場が待ったをかけ、今週は3勝2敗と勝ち越して543円高と5週間ぶりのプラスになった。TOPIXは+7.59の1099.40で終値1100回復はならず。売買高は33億株、売買代金は2兆7987億円で、売買高が5日ぶりに30億株を超えるなど商いも回復をみせている。
 
 後場終盤で値下がり銘柄数を値上がり銘柄数が逆転し、結果は858対753。値上がりセクターは小売、パルプ・紙、医薬品、精密機器、倉庫、情報・通信などで、値下がりセクターは空運、鉱業、海運、証券、鉄鋼、不動産などだった。
 
 後場の1時間で400円近い上昇は先物主導で値がさ銘柄が引っ張ったもの。当然、「日経平均寄与度御三家」は揃って大活躍で、マイナスだった前場でもファーストリテイリング<9983>とファナック<6954>がプラスで踏ん張り、後場に株主総会を終えたソフトバンク<9984>が株価を上げてプラス寄与の列に加わった。ゲストに京セラ<6971>を迎えた4銘柄で日経平均を99円押し上げ、215円高のおよそ半分を占めた。ソフトバンクの株主総会では孫正義社長が「買収は前進している」と説明。スプリント・ネクステル社が25日に開く臨時株主総会で承認されれば、晴れて買収は成功する。
 
 メガバンク3行は後場でも上昇が鈍く、三井住友FG<8316>は50円高、三菱UFJ<8306>は2円高、みずほ<8411>は値動きなしで、新日鐵住金<5401>2円安、神戸製鋼<5406>1円安の鉄鋼株とともにTOPIXの上昇幅を抑えていた。野村HD<8604>も11円安と低調。午前中に長期金利が0.875%に上昇したため金利敏感セクターの不動産も軟調で、三菱地所<8802>は後場は6円高まで上げたが、三井不動産<8801>は5円安、住友不動産<8830>は10円安とマイナス圏のままだった。
 
 為替は円安基調でも世界的な株安、金融不安で輸出関連銘柄は前場、ほとんどが下落していたが、インド・ムンバイ市場のSENSEX指数がプラスになり、中国の短期金利も前日の13%から8%まで急落したため上海総合指数や香港ハンセン指数も下げ幅を圧縮し、少しは光明が見えてきたようで後場には株価がマイナスからプラスに浮上する銘柄が出た。その代表が70円高のホンダ<7267>で、30円高のトヨタ<7203>、22円高の富士重工<7270>、5円高のマツダ<7261>、8円高の富士通<6702>、55円高のキヤノン<7751>、29円高のニコン<7731>もそのパターンだった。しかし三菱自動車<7211>は値動きなしで、26円安のいすゞ<7202>、3円安のNEC<6701>、1円安の東芝<6502>、11円安のソニー<6758>はマイナスで終わっている。
 
 値上がり率ランキング上位は、株価300円以下の低位株、3Dプリンターや太陽光発電やゲームなどのテーマ株に、証券会社が投資判断を引き上げた銘柄が加わった。3位のくらコーポレーション<2695>はいちよし証券が、5位のDOWAHD<5714>はメリルリンチ証券が、11位の河合楽器<7952>は岡三証券が、それぞれ目標株価を引き上げた。
 
 この日の主役は「富士山」関連銘柄。カンボジアのプノンペンで開かれているユネスコの世界遺産委員会で早ければ22日にも登録が決定する見通しで、山梨県と静岡県の知事が現地に乗り込む。「5合目まで電車を開通させる」と打ち上げた関連銘柄筆頭の富士急行<9010>は29円高と続伸し年初来高値を更新する人気ぶり。「富士山天然水」を発売しているダイドードリンコ<2590>は55円高で、富士山の天然水を宅配するウォーターダイレクト<2588>は47円高。沼津市が本店のスルガ銀行<8358>は48円高、山梨中央銀行<8360>は15円高、静岡銀行<8355>は17円高になっていた。登録地域に含まれるかどうかが微妙な「三保の松原」の地元の清水銀行<8364>も11円高だった。(編集担当:寺尾淳)