さようなら 南極観測船「しらせ」

2008年04月09日 11:00

 南極観測ごくろうさま。25年にわたって南極観測にあたってきた南極観測船「しらせ」が今年8月を目途に現役引退することになった。文部科学省では「しらせ」を希望者に売却する計画で、売り払いの国側の条件や「しらせ」の性能を提示するとともに、購入希望者からは利用計画の概要を5月7日までに提出するよう公募している。価格については7月上旬までに提示される予定。

  国側の条件は時価売払いとすること。国民、特に青少年の南極観測に対する関心と理解の増進に役立つ形で保存活用すること。第三者への転売は行わないこと。売払い契約の締結時期は平成20年10月までを期限として希望する。契約締結後12月末までに引取ること。引渡しの場所は未定。契約締結から引取りまでの間の保船等の経費や引取りに要する曳航費等の経費は売払いを受ける側が負担すること。搭載機器類やその構成部品等のうち、国が特に必要と認める物件は売払いの対象としないというもの。

  「しらせ」は昭和58年以降24回にわたり南極地域観測の輸送支援を行ってきた。この間の総日数は3652日、総行程52万3662マイル、南極圏でのチャージング3万3959回で、艦全体の老朽がかなり進行しており、航行には不適、としている。

  しらせは船長134メートル、船腹(幅)28メートル、深さ14・5メートル、速力19ノット。基準排水量は1万1600トン。

 しらせに関する問い合わせは文部科学省海洋地球課 電話03・5253・4111(内線4144)。ファックス03・6734・4147