参議院議員選挙の前哨戦と位置づけられ注目された、東京都議選(定数127)は、6月23日投開票され、自民党59人が立候補、全42選挙区に擁立、全員が当選を果たし、都議会第一党の座を奪還した。協力関係にある公明党も23人全員が当選した。
注目された民主党は、前回54議席と大勝したが、今回は15議席で、現有8議席から17議席と倍増した共産党にも抜かれ、第4党まで転落した。また初の都議選となった日本維新の会は、2議席と伸び悩んだ。みんなの党は、現有1議席から7議席と躍進した。投票率は、前回の54.49%を大きく下回り、過去2番目に低い43.50%であった。
今回の都議選党派別当選者数は、自民59(39)、公明23(23)、共産17(8)、民主15(43)、みんな7(1)、ネット3(2)、維新2(3)、無所属1(6)。
今回の都議選は各党とも夏の参議院議員選挙の前哨戦として位置づけ、各党首を始め、党の幹部が街頭演説で各候補を支援、いつにない盛り上がりを見せた。が有権者は、争点のない選挙に、白けた雰囲気を見せ、それが過去2番目の低い投票率となって表れた感がする。
この投票率の低さが、今回の都議選の明暗を大きく分けたと言えるだろう。民主党は、無党派層の票を集められず議席を激減させて惨敗。一方組織票を持つ自民、堅い支持層を持つ公明、共産は躍進する結果となって表れた。
また躍進が期待されていた日本維新の会は、直前になって、橋本共同代表の従軍慰安婦問題、石原共同代表との確執など、党の分裂傾向が表面化し、維新は逆風にさらされ、惨敗を喫する結果となった。
このままいけば7月に行われる予定の参議院選挙も、この流れは変わらないと見る向きは多い。しかし安倍首相は、“アベノミスク”が一般に評価された、と手放しで喜んでいるが果たしてそうだろうか。今回浮動票とされる若者たちの多くが投票を棄権している。安倍政権の経済政策が、地方や一般庶民に恩恵を与えているとは思われない。大企業向けの経済優先の姿勢が目立ち、社会保障はほとんど手を付けてない。
これで消費税増税となると庶民の生活は益々追い込まれるのは必至。野党の踏ん張りに期待したい。(編集担当:犬藤直也)