上海株大幅下落 中国7月危機説浮上

2013年06月26日 16:47

 24日の中国・上海株式市場は、国内市場の減速と政府の流動性引き締めによる、資金繰り悪化が加わり、大幅続落した。上海総合株価指数は、前週比5.30%安の1963・235で終了した。2000の大台を割り込んだのは2012年12月4日以来7ヵ月振り。下落率は、2009年8月31日(6.74%安)以来約4年ぶりの大きさとなった。

 この背景となったのは、高利回りの財テク商品の償還が行き詰まり、それが資金ショートを生み、中小の銀行で、連鎖破たんが起きるのではないか、と危機感が広がったと市場関係筋は見ている。

 中国人民銀行(中央銀行)は、24日各銀行に、慎重な融資姿勢を求める通達を出した。これを受けた株式市場では、当局が今後も引き締め姿勢を続けるとの見方が広がり、銀行、証券、保健、不動産などの株が軒並み売られた模様。

 問題の財テク商品は、年率10%以上の高金利を謳っているが、元本割れなどの高いリスクを伴う。個人投資家などから集めた資金は、金融機関が簿外で運用、「影の銀行(シャドーバンキング)」と言われている。

 また中国では、習近平政権が発足後4ヵ月前後で、前政権時代の不良債権処理にうって出るとの政府系シンクタンクの内部報告があり、ここから「7月危機説」が流れている。

 こうした中国の金融不安から、アジア株が全面安となり、欧米株式市場も軒並み下落した。ニューヨーク株式市場の、ダウ工業株30種平均の下げ幅は、前週末比で、一時240ドルを超えた。米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和縮小の可能性を、示唆したことに伴い、積極的にリスクを取る動きが後退していることも、値下げに拍車をかけていると見られている。

 これに先立ち東京株式市場でも、取引終了にかけて売りが膨らみ、日経平均株価の終値は、前週末比167円35銭安の1万3062円と下げた。(編集担当:犬藤直也)