【日経平均】中国株大幅安に影響されても13000円台維持

2013年06月24日 20:18

 前週末21日のNYダウは41ドル高。2日間の下落幅が500ドルを超えるとさすがに押し目買いが入るが、それでも高止まりする長期金利を警戒して売り買いが交錯し値動きが激しい。最後はウォールストリート・ジャーナル電子版に「市場はバーナンキ議長の発言を読み違えている可能性がある」という記事が出てプラスで終えた。23日の東京都議選の結果は自民、公明両党の候補者が全員当選する圧勝で、投票率は低いが都民はアベノミクスを支持。24日朝方の為替レートはドル円が98円台前半、ユーロ円が129円近辺と、前週末よりも円安が進行した。

都議選の結果を好感して日経平均は187.41円高の13417.54円でスタート。しかし前場の10時30分以後はほとんどの時間がマイナスで、上海、香港市場の軟調が影響して一時13144円まで下落する。後場は安値を更新した後、プラスにタッチしてもまた下落。それでも13100円台後半の小動きが続くが、午後2時30分すぎには中国株の大幅安に円高も加わって再び急落して13026円まで下げ、167.35円安の13062.78円で終えた。TOPIXは-9.76の1089.64。売買高は今年最少の22億株で、売買代金は1兆8962億円で2兆円割れの薄商いに逆戻りした。「閑散に売りなし」の格言とは正反対に売られて下げる一方の展開で日中値幅は400円も開いた。
 
 東証1部の値下がり銘柄852に対し、値上がり銘柄は44.8%の769あった。業種別騰落率のプラスはその他金融、陸運、空運、電気・ガス、繊維、海運、建設の7業種。マイナス下位は機械、非鉄金属、輸送用機器、卸売、石油・石炭、鉄鋼などだった。
  
 日経平均マイナス寄与度上位は、22日にインドネシアに「ジーユー」業態を海外初出店したファーストリテイリング<9984>、ファナック<6954>、京セラ<6971>、ダイキン<6367>で、合わせて日経平均を66円押し下げ値下がり幅の約4割を占めた。ソフトバンク<9984>は傘下の中国最大のEC企業アリババの存在を評価した野村證券が投資判断を引き上げたため40円高だった。
 
 メガバンクは三井住友FG<8316>は5円高、4000億円でタイのアユタヤ銀行を買収する三菱UFJ<8306>は6円安、みずほ<8411>は値動きなしと3行三様。証券も野村HD<8604>は7円安でも大和証券G<8601>は6円高。手数料に「女子割」を導入するカブドットコム証券<8703>は4円高だった。アイフル<8515>は42円高、オリコ<8585>は9円高、クレディセゾン<8253>は58円高で、「その他金融」は業種別騰落率トップに。前週良くなかった不動産関連は三井不動産<8801>が5円安、三菱地所<8802>が14円安、住友不動産<8830>が10円高とまちまちだったが、含み資産関連はケイヒン<9312>が値上がり率8位、東京都競馬<9672>が同10位に入り、東京ドーム<9681>も16円高だった。
 
 輸出関連株は円安でもアジアの株安が重しになる。自動車は全面安で、トヨタ<7203>はインドで小型車用のディーゼルエンジンを生産する材料も、2020年実用化を目指して炭素繊維カーの実用化に東レ<3402>などと共同で取り組む材料もあったが90円安。東レは5円高だった。ソニー<6758>は36円安で、パナソニック<6752>もシャープ<6753>も日立<6501>も東芝<6502>もNEC<6701>も下げたが、ベンチャーを対象に「ビッグデータ」の提携先を公募する富士通<6702>は2円高だった。
 
 不振をきわめたのが中国関連銘柄。上海市場は100ポイント以上の大幅安で約半年ぶりに2000を割り込んだ。ファナックは330円安、コマツ<6301>は106円安、日立建機<6305>は77円安、ダイキンは280円安で値下がり率5位になり、商社も三菱商事<8058>28円安、三井物産<8031>26円安。中国でロボット工場を稼働すると報じられ朝方は買われていた安川電機<6506>も23円安で終わっている。
 
 値上がり率ランキングは低位株、テーマ株が相変わらず多く、求人サイトのリブセンス<6054>が同1位、ネット選挙関連のドワンゴ<3715>は一時ストップ高で同2位、日本エム・ディ・エム<7600>は脊椎を固定する新製品が薬事承認されたと発表して後場に急進して同3位、3Dプリンター関連のMUTOHHD<7999>は同6位だった。
 
 前週良かったゲーム関連は下落が目立ち、DeNA<2432>はいちよし証券が投資判断を引き下げ117円安で値下がり率11位。それでもKlab<3656>はストップ高の83円高で値上がり率5位に入った。22日に富士山の世界遺産登録が決まったが、富士急<9010>は高く始まったが利益確定売りに押され129円安で値下がり率1位になった。
 
 この日の主役は保育関連銘柄。政府が2015年から企業内保育所に補助金を出すと報じられ、代表銘柄のJPHD<2749>は129円高、「サクセスアカデミー」のサクセスHD<6065>は110円高、「ピジョンハーツ」のピジョン<7956>は190円高と大幅上昇。運営コンサルティングを手がける幼児活動研究会<2152>も20円高だった。「待機児童解消で女性の戦力化」を4月に成長戦略第1弾として打ち出したが、補助金で企業に保育所設置を促せば、財政難の自治体の負担はその分、軽くなるだろうか。(編集担当:寺尾淳)