前週末6月28日のNYダウは114ドル安で15000ドル割れ。6月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予測を下回り、6月のミシガン大学消費者態度指数改定値は上回ったが、主要企業の決算が不振だった。7月1日朝方の為替レートは、ドル円が99円台半ば、ユーロ円が129円台前半と円安が進み、100円、130円の大台に近づいた。
取引時間前に発表された4~6月期(6月調査)の日銀短観は、大企業製造業業況判断DIが+4で1年9ヵ月ぶりにプラスに浮上し、市場予測の+3を上回った。先行判断は+10と高く、中小企業の業況判断も改善した。日経平均は69.40円高の13746.72円と13700円台に乗せてスタートしたが、前週末2日間に843円上昇しただけに先物が利益確定売りされ、午前9時15分すぎにはマイナス圏に落ちる。前場はTOPIXはおおむねプラスでも日経平均は13600円台の小幅安の状況が続いた。後場の午後1時20分頃から日経平均はプラスに転じ、再び13700円台に乗せる。2時30分すぎに13800円台に乗せてそのままフィニッシュ。終値は175.18円高の13852.50円で3日続伸。TOPIXは+16.86の1150.70円だった。売買高は24億株、売買代金は2兆396億円で、商いの勢いはまだ戻らない。
東証1部の値上がり銘柄は全体の79.4%の1360あり、マイナスは鉱業1業種のみ。業種別騰落率のプラス上位は証券、その他金融、保険、海運、陸運、食料品などで、プラス下位は電気・ガス、金属製品、繊維、不動産、ガラス・土石などだった。
日経平均寄与度トップは450円高のファーストリテイリング<9983>で、後場の上昇を引っ張ってプラス寄与度は18円だった。中国の物流購入連合会の製造業PMIは-0.7の50.1で50以上を維持したが、HSBCの製造業PMI改定値は速報値より0.1悪化し48.2。どちらもほぼ市場予測通りだが上海市場(香港市場は休場)は反落で始まり終始マイナスだった。日立建機<6305>は2円安だったがコマツ<6301>は22円高で、ダイキン<6367>は185円高で日経平均を7円押し上げ、ファナック<6954>も70円高と中国関連銘柄はおおむね堅調に推移した。
騰落率1位の証券は野村HD<8604>が19円高、大和証券G<8601>が43円高になった他、光世証券<8617>が値上がり率4位、岩井コスモHD<8707>が同16位、水戸証券<8622>が同20位に入るなど中小証券も健闘した。騰落率2位のその他金融はオリコ<8585>が22円高、アイフル<8515>が74円高で売買高ランキングの7位、8位に入った他、イー・ギャランティ<8771>が値上がり率5位、NECキャピタル<8793>が同11位に入っていた。
午前11時に国税庁から1月1日現在の路線価が発表され、全国で-1.8%、東京都は-0.3%、神奈川県は-0.2%、大阪府は-0.8%だったが、それぞれ下げ幅が圧縮し地価は底を打っている。不動産は三菱地所<8802>は4円安でも三井不動産<8801>は12円高、住友不動産<8830>は50円高。大手より上昇ぶりが派手だったのが含み資産関連で、よみうりランド<9671>は91円高で値上がり率6位、東京都競馬<9672>は40円高で値上がり率10位にランクインしていた。
6月の国内新車販売台数が発表され、登録車は10.8%の2ケタ減、軽は2.3%減とふるわない。しかし円安メリットを受ける輸出もあるため、自動車株はトヨタ<7203>70円高、ホンダ<7267>15円高、富士重工<7270>52円高、マツダ<7261>19円高、日産<7201>11円高と好調だった。
電機は、NTTドコモ<9437>がソニー<6758>とサムスンをスマホの「ツートップ」に指名し、〃控え〃に回されたパナソニック<6752>はスマホ撤退を検討と報じられ3円安。ソニーは55円高。東芝<6502>は10円高でシャープ<6753>は4円安と高安まちまち。小売も高安まちまちで、イオン<8267>が前週末に3~5月期の第1四半期決算を発表し、7年ぶりに営業利益が最高益を更新して30円高になった一方、しまむら<8227>は60円安で、ホームセンターのDCMHD<3050>は38円安と売られて値下がり率1位になっていた。
前週上場したリプロセル<4978>は活発に売買され、売買代金はガンホー<3765>とともにメガバンク並み。しかし株価は13.39%の大幅安。ガンホーは15.65%の大幅高で、Klab<3656>もストップ高比例配分の150円高で年初来高値を更新し値上がり率3位に入った。しかしグリー<3632>は40円安で値下がり率2位、DeNA<2432>は49円安で値下がり率13位になり、ゲーム業界の新旧交代が浮き彫りになっていた。
この日の主役は3大メガバンク。売買高ランキングでは2円高のみずほ<8411>が1位で19円高の三菱UFJ<8306>が3位、売買代金ランキングでは130円高の三井住友FG<8316>が1位で三菱UFJは2位に入った。みずほFG傘下のみずほ銀行、みずほコーポレート銀行がこの日、合併して新「みずほ銀行」が発足し、システムトラブルなく無事に統合が完了した。本店も業務内容もシステムも旧・日本興業銀行を受け継いでいたみずほコーポレート銀行の名は消え、高度成長時代に産業金融を担った興銀マンがプライドを込めて呼んだ「IBJ」は、名実ともに歴史上の存在となった。上場企業で唯一、興銀系の名を残す興銀リース<8425>は96円高、興銀OBが設立した婚活支援サービス企業で、昨年12月にジャスダックに上場したその名もIBJ<6071>は20円安だった。(編集担当:寺尾淳)