都道府県に「生きがい相談窓口」

2008年02月18日 11:00

 政府は地域コミュニティ、安心生活空間の再生のための施策を発表した。
内容は次の通り。
(1) 地域コミュニティの持つ力を再生する。
元気な高齢者の能力を地域で活用する取組を行う都道府県に対し「生きがい相談窓口」などを行うモデル事業を20年度に創設。またシルバー人材センターが地方公共団体と共同で行う子育て・介護等の事業に対し、運営費などを20年度から補助する。  
身近な地域で支援を必要とする人に対して、見守りや声かけなどの福祉活動を行う市町村に対し、地域の支援担当者や地域住民の調整役を担うコミュニティソーシャルワーカー(仮称)の配置などを行うモデル事業を20年度から創設する。
さらに、悪徳商法や製品事故情報、防災情報などを高齢者や障害者などを見守る民生委員やヘルパー、子どもを見守る立場の人たちに提供し、地域の見守り力を高める動きを20年度から支援する。
また、20年度から住まいと街の防犯機能向上のため、防犯灯や防犯カメラの設置、空き家、空き店舗の活用、自主防犯活動の取組を促進するほか、防犯に配慮した公共賃貸住宅整備を支援する。
また地域の誇りと郷土意識を育むためのモデル事業を創設するとともに、歴史的風致の維持再生のまちづくりを支援する制度・歴史的環境形成総合支援事業を創設するための法案を通常国会に提出する。
(2)安心して暮らせる生活空間を作る。
20年に自転車道の整備と交通規制を組み合わせたモデル地区を指定するとともに、20年度からは自転車の歩行通行要件やルールの内容を明確にし、自転車教室の開催を増やし、高齢者や主婦などにルールを周知する一方で、違反者への指導取締りを強化する。
また一日の乗降客数5000人未満の鉄道駅のバリアフリー化を進めるため、地域の観光や交通の拠点となる駅を20年度から支援していく。
さらに野生鳥獣による被害防止のための特別措置法の基本方針を19年度中に策定し、20年度に鳥獣害防止総合計画に基づく捕獲、防護柵の設置、緩衝帯の設置などへの取組の支援を拡充するとともに、鳥獣保護管理を担う狩獣者を育成するガイドブックの作成や研修を行う。
(3) 生活の移動手段を維持、確保する。
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律を活用し、コミュニティバス・乗合タクシーの導入、鉄道の増便・ダイヤ変更や旅客船の航路再編等の事業を一体的に補助する制度を創設する(20年度)。
(4) 地域医療を確保し、救急医療の充実を図る。
派遣される医師に病院などが行う研修支援や派遣元の病院の負担を軽減する制度を20年度に創設する。また病院医師の過重労働解消のため、交替勤務制度や変則勤務制を導入する病院の支援、医師の事務を補助する医療補助者を配置するモデル事業を20年度から行う。
また女性医師の離職を防ぎ、復職を促すため、病院内の保育所運営を支援するとともに、復職に伴う研修を20年度から支援する。一方で都市部病院に集中する臨床研修病院の研修医の受け入れを20年度から見直す。
また臨時的な医学部定員増や産科・小児科等の診療科の教育体制を充実させ、地域に必要な医師を養成するとともに、大学病院と地域医療機関が連携し、地域医療の確保を進める。さらに救急患者の受け入れを確実にするため、搬送ルールの策定や消防と医療機関の連携を進め、高規格救急自動車の整備に取り組む(20年度)。またドクターヘリ事業への助成金交付事業を20年度早々にも整備する。