日立製作所、9月中間期の業績予想を上方修正

2013年08月03日 14:09

 30日、日立製作所<6501>は、2013年9月中間期の連結業績予想(米国会計基準)を上方修正したと発表した。中国において昇降機が好調なこと以外にも、高機能材料などの事業が計画に対して好調なことがその要因とみられている。しかし下期以降は、中国を含む新興国の市場の先行きが不鮮明だという理由から、14年3月期の連結業績予想はそのまま据え置かれた。

 日立製作所は13年9月中間期の営業利益予測を、1300億円から1450億円に上積みした。決算会見にて中村豊明副社長は、「マイニング(鉱山機械)関係は増えてはいないが、昇降機は相当増えている。先行きプラス要因を感じている」と述べた。さらに中国の景気の状態については「底を打った感がある」と指摘しており、「中国のGDP(国内総生産)の数値は7から7.5%辺りで当面は安定するのではないか」との予測も示している。

 そして中村副社長は、白物家電を含む家庭製品や自動車、さらにはスマートフォン(多機能携帯電話)の関連部品の受注も増えていると述べ、「最終製品に近いところで改善傾向がみられる」と、アベノミクス効果の波及についても感想を語った。高機能材料部門の営業利益は110億円増やし、460億円とした。

 13年9月中間期の売上高予想は、4兆3500億円から4兆4000億円に上方修正した。部門ごとにみると、昇降機などの「社会・産業システム」が300億円、「情報・通信システム」と「デジタルメディア・民生機器」がそれぞれ200億円ずつ引き上げられた。純利益予想は100億円から150億円に引き上げられた。

 14年3月期の連結業績見通しはそのまま据え置かれている。売上高は前期比より1.8%増えて9.兆2000億円、営業利益は前期比より18.5%増えて5000億円、純利益は前期比より19.8%増えて2100億円としている。中村副社長は14年3月期の連結業績を据え置いたことの理由として「中国やインド、インドネシアなどの新興国の経済が少し落ち着いてきているので、下期はどうなるのかを見定めたいため」と説明している。(編集担当:滝川幸平)