10代・20代のテレビ離れ加速、ネットが上回る

2013年08月05日 19:48

「若者のテレビ離れ」がいわれてすでに10年以上が経つ。主要テレビ局の視聴率は軒並み低下し、かつてバラエティ番組では負け知らずだったフジテレビの凋落も、もはや目新しいニュースではなくなった。とはいえ多くの人々にとってテレビが「マスメディアとしての役割を終えた」とまではいえない。だがすでに若者たちの間では、テレビはかつてのように共通の話題を提供してくれるものではなくなりつつある。

このほど公開された「平成24年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書」によると、若者のテレビ視聴時間は10代が1日あたり102分、20代で121分となっており、最も時間が長い60代(263分)より2時間以上短くなっている。テレビは若い人ほど見ておらず、年代が上がれば上がるほど視聴時間が長くなる傾向にある。若者のテレビ離れはもはや自明の前提だ。

一方、「ネット」については若い世代ほど平均利用時間が長い。ネットの利用時間は20代で112分、10代では108分であり、若い世代ではインターネットの利用時間がテレビの視聴時間とほぼ拮抗、10代ではネットの方が上回っている。

 また行為者率(調査日の間にそのメディアを利用した人の割合)をみても、40代以上の「テレビ視聴」が90%前後であるのに対し、10~20代では80%を切った。一方で「ネット利用」の行為者率は20代で90%、10代で80.9%となり、テレビを上回っている。

 もちろんテレビを見ている若者もまだ8割前後と多いが、若い世代ではネットなどをしながらの「ながら視聴」などによって、テレビへの集中度は以前より下がっている可能性もある。

 10代の若者と接していると、彼らは暇さえあればスマートフォンでLINEを使って仲間とコミュニケーションをとっており、また「ニコニコ動画」や「YouTube」で話題の動画について話している。試しに「どんなテレビ番組を見ているのか」と尋ねても、勉強や部活で忙しく、テレビ自体をあまり真剣に見ていないようだ。番組内容が仲間内で話題の中心になることはあまりない。以前は当たり前だった「コミュニケーション手段としてのテレビ」は、10代を中心にどんどんその存在感を薄めている。(編集担当:北条かや)