集団的自衛権について、菅義偉官房長官は5日「日本を取り巻く安全保障環境が大きく変わる中で、日本国民を守るために何が必要なのか、そういう観点から安保法制懇談会で議論を進めている。国民のみなさんに良く理解を進めていただくために抽象概念でなく、具体的な問題を考えていく中で(集団的自衛権の行使についての)議論は進めていくべきだろう」と個別具体的なケース毎に集団的自衛権の行使ができるのか、できないかを考えていくべきだとの考えを示した。
菅官房長官は「政府にとっては、この議論の過程で与党・公明党の理解を得る努力も必要になってくるのだろう」と国民の理解を得られる手法(個別具体的に示していくこと)と同時に公明党の理解を得られる内容に仕上げていく必要を語った。
公明党は「集団的自衛権は有しているが、現行憲法下では行使できない」としてきた歴代政府の解釈を「妥当」しており、「行使を認めれば歯止めがなくなる」と危惧しており、議論には時間をかけ、周辺諸国への影響も含め慎重な審議が必要との考えだ。
一方、安保法制懇談会の柳井俊二座長は4日のNHK番組で懇談会としての報告を出来れば年内にも出したい意向を示し、同番組に出演した小野寺五典防衛大臣は懇談会の報告を踏まえて「防衛大綱を年内にまとめたい」考えを述べていた。(編集担当:森高龍二)