「歩きスマホ」、規制の必要は?

2013年08月09日 20:04

若い世代を中心に、急速に普及しつつあるスマートフォン。20代のスマホ所持率は約7割にのぼり、若者にとっては手放せない存在だ。

 一方で歩きながらスマートフォンを操作する「歩きスマホ」の危険性が問題になっている。駅のホームから転落するなどの事故が増えており、NTTドコモは新宿駅の東口に、18日まで「危険です、歩きスマホ(本人は、この広告見ないだろうけど)」とのマナー広告を出すことになった。広告のメッセージは「この広告には気づかなくても、みんなの冷たい視線には気づいてほしい。」

 では若者は、「歩きスマホ」についてどう考えているのだろうか。株式会社リビジェンが10~20代の男女500人を対象に「歩きスマホ」について調査を実施したところ、「規制の必要がある」と答えたのは約2割にとどまった。

 「あなたは『歩きスマホ』に対して『歩きタバコ』と同様に、法令や条例等により規制する必要があると思いますか?」という質問に対して、「必要だと思う」は22.6%、「どちらともいえない」が49%、「必要だと思わない」が28.2%だった。

 法令や条例での規制については「どちらともいえない」と回答した人が半数近くを占めたが、その理由は「歩きタバコほど迷惑ではない」「ちょっと厳しすぎると思う」など。また規制を「必要だと思わない」人からは、「急用がある際、歩きスマホをしながら連絡をとるのは必要」「歩きスマホに規制なんて必要!?」などの意見が上がった。

 ところで同調査によると、実際に「歩きスマホ」をしたことがある若者は実に9割近くにのぼる。歩きながら閲覧しているのはインターネット、メール、SNS、ゲームなど様々。一方で、歩きスマホの経験がない人からは、「危ない」「迷惑」「子供がいるのにいじっている人をみると心配になる」「うざい」「自己責任」などの批判が寄せられた。

 何となく危険だとは知りつつ、ネットやメール、ゲームの結果が気になってつい、見てしまう。そんな若者の心理が現れている「歩きスマホ」。とはいえスマホの普及率は30代でも過半数、40代でも4割以上にのぼる。歩きスマホが問題になっているのは、若者だけではないはずだ。条例で規制するほどの強制力はなくとも、マナーの徹底が必要なのは言うまでもない。(編集担当:北条かや)