コンピュータ関連の雑誌や書籍の制作で知られるインプレスR&Dのシンクタンク部門であるインターネットメディア総合研究所が昨年11月に公表した「スマートフォン/フィーチャーフォン利用動向調査の結果」によると、調査対象者のスマートフォン個人所有率は39.8%、スマホを業務に利用していると回答した企業は41.7%にものぼった。一昨年の2011年度の調査と比較すると、約2倍もの上昇となっており、利用者が急増していることが窺える。
スマホやタブレットの利用の仕方は様々だが、電話やメール、SNSなどのインターネット利用のほかに、スケジュール管理やメモなどのビジネスツールとしても活用している人も増えている。しかしながら、昔ながらのスケジュール帳やメモ、付箋紙を利用している人、または並行して使っている人も、まだまだ多いのが現状だ。
打ち合わせの内容や、ふとしたアイデアをメモするようなことは日常的にもよくあることだが、それをその後、どこにやってしまったのか分からなくなることはないだろうか。走り書きしたような内容にこそ、重要な事柄が含まれていたりするものだが、肝心なときに限って、どこに書いたか分からなくなったり、紛失してしまったりするものだ。
せっかくスマホやタブレットを持っているのだから、スケジュールやメモなども一括してスマートに管理したいもの。そこで今、注目されているのが、スマホやタブレットなどのデジタルデバイスと連動して活用できるステーショナリーグッズ、いわゆる「スマホ文具」だ。
例えば、パソコン周辺機器メーカーのエレコム株式会社<6750>が取り扱っている「クロスパッド ノートパッド ESB-NPA5シリーズ」などは、スマホ文具の代表格だ。システム手帳に綴じることができるリフィルタイプのノートパッドで、手書きのメモの内容を専用アプリで撮影するだけで、そのままキレイにデジタル化できるのが特徴だ。
撮影も簡単で、ノートパッドの四隅にあるマーカーにあわせることで位置を認識して、自動でゆがみや傾きを補正し、画面ぴったりに取り込むことができる。取り込んだデータは4つのフォルダへ自動分類可能で整理もしやすく、後からマーカーをつけたり、編集することも容易にできる。
さらに、メールやSNS、Evernote、Dropboxなどに利用したりアップロードすることも自在なので、他のデバイスやユーザーとデータの共有や閲覧をするにも便利だ。
また、エレコムでは、一度の撮影で複数の「ふせん」を個別にデジタル化できるスマホ文具ESB-FSシリーズなども販売しており、こちらもビジネスシーンを中心に注目度が高まっている。事務用品的な扱いのスマホ文具だけでなく、クリエイティブにスマホ文具を活用したい場合には、イタリアのモレスキン社とEvernoteが共同開発した「Evernote スマートノートブック by Moleskine」がお勧めだ。
モレスキンの手帳に書いたデータをアプリで撮影するだけで、データ化しEvernoteに直接送信できるもので、いちいち主導で分類しなくても、撮影時に付属のスマートステッカーをページに貼り付けておくだけで、カメラがそれを自動で認識、分類し、タグ付けしてくれるという優れものだ。モレスキン社はアーティストや作家などクリエイティブ系の人々に愛され活用されている手帳。一方、Evernoteは全世界で4000万人近いユーザー数を誇る、情報管理ウェブサービス。かねてより、「手書きの紙とペンが最大のライバル」と位置づけていたEvernoteにとって、最高のパートナーを得て実現した念願のコラボ商品だけに、ユーザーの反応も上々のようだ。
他にも、デジタルとアナログをうまくシンクロさせるスマホ文具が、市場に数多く出回り始めている。自分のライフスタイルに合ったお気に入りのスマホ文具を探してみてはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)