【今週の振り返り】急騰、急落を繰り返しても上昇幅10円の週

2013年08月24日 20:12

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手がかり難の真空状態で起きた、新興国通貨、株価総崩れショックで中国PMIサプライズ効果も限定的

 前週末16日のNYダウは30ドル安で3日続落。1週間で344ドルも下がった。住宅着工件数も住宅建設許可件数もミシガン大学消費者信頼感指数も市場予測を下回ったのに加え、バーナンキ後継はサマーズ元財務長官という観測が強まり長期金利が一段高の2.8%台に上昇しては、下落幅がこの程度でよくおさまったというところ。金利上昇でドルが買われ、19日朝方の為替レートはドル円は97円台後半、ユーロ円は130円台前半と、前週末より少しだけ円安になっていた。

 お盆休みが明けて日本経済リスタートの日の日経平均は19.63円高の13669.74円と少し反発して始まった。しかし午前10時前にはドル円レートが円高に転じてマイナス圏に定着する。13600円を割り込んでも一瞬だけで前場の値動きはほぼ100円以内にとどまり、上海、香港市場のマイナススタートにも反応薄だった。決算発表シーズンは完全に終わり、政界はまだ夏休み。月曜日で海外市場や経済指標の影響が乏しい手がかり難の真空状態で、前週に続き日経平均は為替と連動した先物主導、市場はゲーム、シェールガス、インフルエンザ、子育て支援など特定テーマの材料株や超低位株がアトランダムに物色されるだけという状況が続く。それでも11時をすぎると為替が円安方向に切り替わって日経平均は再びプラスになった。後場はプラス圏の13600円台後半と13700円台前半を行ったり来たりしたが、午後2時30分すぎから為替の円安に歩調を合わせて上昇。大引け間際に急騰し終値は108.02円高の13758.13円で高値引け。TOPIXも+6.48の1149.13で高値引け。東証1部は薄商いが極まり、売買高は14億株、売買代金は1兆2566億円で今年最低を更新した。

 東証1部33業種別騰落率のマイナスは空運、電気・ガス、鉄鋼、繊維の4業種にとどまった。プラス上位は石油・石炭、パルプ・紙、建設、金属製品、その他製品、鉱業など。プラス下位は非鉄金属、証券などだった。

 19日のNYダウは70ドル安で今年初の4日続落で15000ドル割れ寸前。21日の7月のFOMC議事録発表前の様子見に加え、長期金利が一時2.88%まで上がり住宅投資、個人消費を冷やす懸念で住宅、小売など関連銘柄は弱含み。一時は円安が進んだが、20日朝方の為替レートはドル円は97円台後半、ユーロ円が130円台前半と、前日朝と変わらない水準に戻った。

 日経平均は125.17円安の13632.96円で始まる。下げても13600円台で底堅かったが、午前10時30分すぎから円安とともに下げ幅を圧縮し13700円台に乗せる。しかし前引けは13600円台に戻った。後場は一段安で13500円台に急落して始まる。午後2時頃から再び急落して13500円を割り込み、さらに2時30分前には13400円も割り込む。新興国の通貨も株価も総崩れで、香港に続き上海総合指数も午後に急落、円高とセットで日経平均は先物主導で13383円まで下げた。徐々に戻したが終値は361.75円安の13396.38円で、13400円割れは6月以来の水準。TOPIXは-23.86の1125.27で安値引け。売買高は20億株、売買代金は1兆7953億円だった。

 全業種下落。マイナスが小さいのは情報・通信、電気・ガス、不動産、繊維、建設、サービスなど。大きいのはゴム、輸送用機器、鉱業、その他金融、非鉄金属、海運など。

 20日のNYダウは7.75ドル安。ベスト・バイなど小売業の好決算に刺激されて15000ドル割れから上昇を見せたがシカゴ連銀全米活動指数は5ヵ月連続マイナスで長期金利は高止まりし、終盤にマイナスになり結局5日続落。終値15000ドル台はかろうじて維持した。NASDAQはアップルの新型iPhoneの9月出荷指示の観測などもありプラス。21日朝方の為替レートはドル円は97円台前半、ユーロ円は130円台後半で、新興国の通貨安、株安で「リスク回避の円買い」が進行した。

 日経平均は34.90円高の13431.28円で始まり、前場途中までTOPIXが時々マイナスになりながら日経平均は13400円台のプラス圏で推移し、一時13500円にあと1銭に迫った。しかし午前10時30分に上海市場が開いて30分足らずの間、上海総合指数の急落に合わせ為替の円高とセットで13400円、13300円を割り込み13272円まで急落した。後場もしばらく13300円前後の水準をウロウロしていたが、午後1時40分頃からわずか15分ほどで100円を超える上昇をみせプラス圏まで浮上する。円安とインドのムンバイなど一部の新興国市場の株価指数が持ち直したのが要因。2時台にはさらに上げ幅を拡大するが朝方と同じくTOPIXはマイナスに。終盤は一時マイナスになったが終値は27.95円高の13424.33円と反発した。TOPIXは-3.53の1121.74。売買高は21億株、売買代金は1兆8059億円で、商いはお盆休みの14日よりも少なく盛り上がりを欠いた。

 上昇セクター上位は空運、機械、精密機器、不動産、金属製品、証券など。下落セクター下位は電力・ガス、水産・農林、パルプ・紙、輸送用機器、陸運、海運などだった。