派遣で労政審でのたたき台に問題ありと連合断言

2013年08月24日 18:34

 連合は厚生労働省の研究会が労働者派遣制度のあり方についてまとめた報告書を「労働政策審議会での議論のたたき台とすることには問題がある」と断言した。「常用代替の防止、派遣労働者保護の観点に立脚した見直しを行うよう強く求めて労働政策審議会で対応していく」とした。

 連合は特に派遣期間制限のあり方について、報告書が(1)専門26業務といった業務区分を廃止する(2)期間制限の対象を派遣元との有期雇用である派遣労働者に限定し、派遣元との無期雇用である派遣労働者は制限の対象としない(3)有期雇用派遣である場合も、個人ごとの上限を3年にするとともに派遣先レベルでの3年超の受入れも派遣先の労使のチェックを条件に可能にする大幅な規制緩和になっている、と問題を提起。

 「派遣先の労使のチェックを除けば(今回の報告内容は)人材派遣業界の主張と同一の内容になっている」と酷評。また「派遣労働者の処遇改善についてはEU派遣労働指令のような派遣先労働者との均等待遇を推進することは難しいと結論づけ、きわめて不十分な検討にとどまっている」と不満を示した。労働者派遣法改正にむけた審議は労政審で審議を経て、年内に建議とりまとめの予定。(編集担当:森高龍二)