27日に行われた記者会見で麻生太郎財務相は、26日に訪問先のクウェートで記者団に対し、安倍晋三首相が述べた法人税に関する発言について、「あくまで幅広い観点による議論を要請したもの。法人減税に特化したものではない」との見解を示した
27日に行われた記者会見で麻生太郎財務相は、26日に訪問先のクウェートで記者団に対し、安倍晋三首相が述べた法人税に関する発言について、「あくまで幅広い観点による議論を要請したもの。法人減税に特化したものではない」との見解を示した。
安倍首相の発言は、消費税の増税に伴い、法人税の減税も検討するべきではないかという考えを示したもので、「景気回復や、デフレ脱却という大きな目標のために、何をなすべきかという観点も十分に踏まえながら議論してもらいたい」と述べたもの。
これに対し麻生財務相は、「首相は、幅広い観点から議論してほしいと述べた。法人税の減税に特化して話をしろと言ったとは聞いていない」と述べ、消費税増税時に合わせて法人税を減税することに慎重な姿勢を見せた。また、「消費税増税に伴う景気の落ち込みなどに対応し、財政として検討すべきことがいくつもあろうかと思う。今回の首相の発言はその中のひとつとして理解するべきもの」とコメントした。
また麻生財務相は、26日から始まっている消費税の増税についての有識者会議に関しては、「出席者それぞれに立場があるので、様々な意見が出るのは当然のこと。そういった意見を聞いたうえで、最終的に首相が判断するいい機会を作っている」と述べた。
さらに甘利明経済再生担当相も、同日行われた記者会見でこの安倍首相の発言について、「デフレ脱却、また、景気の落ち込みから回復するための反発力を強くするため、予断を入れることなく幅広く検討してほしいという趣旨」と説明している。
これまで麻生財務相氏は、経済界が法人税の減税を強く要望しているにも関わらず、赤字によって法人税を払っていない会社が全体の7割にも上ることから、「仮に法人税を減税しても、すぐに効果があるとは思えない」と、法人税の減税に対して慎重な姿勢を示し続けてきた。
また甘利経済再生担当相は、「投資減税か全体的な法人減の減税のいずれかしか行えない場合には、政策効果の高い方になる」との見方を示している。(編集担当:滝川幸平)