【今週の振り返り】法人減税で上げて下げて結局34円上昇の週

2013年08月17日 20:12

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「首相が指示」の記事が出て2日で530円上昇官房長官の「指示していない」の後、2日で400円下落

 前週末9日のNYダウは72ドル安。めぼしい経済指標も決算発表も地区連銀総裁発言もなく手がかり難。一時は150ドルを超える下げだった。12日朝方の為替レートは、ドル円は96円台前半、ユーロ円は128円台前半で前週からの円高傾向が続いていた。

 取引時間前に4~6月期の四半期実質国内総生産(GDP)が発表され、GDP成長率の年率換算の速報値は3四半期連続プラスだったが、市場予測の+3.6%を1.0ポイント下回る+2.6%だった。安倍内閣が消費税引き上げの判断材料にするのは9月9日に発表される確定値だが、「数値が悪いと消費増税への慎重論が高まるから株価が上がる」という、アメリカの量的緩和縮小にまつわる市場の思惑の日本版のような見通しも語られていた。

 しかし、それとは正反対にドル円が一時96円を割り込む円高に見舞われ、日経平均は145.49円安の13469.70円で今週の取引がスタート。それでもショックからの立ち直りは早くて15分ほどで13500円台に戻し、ドル円も96円台前半に戻った。10時30分に始まった上海、香港市場が上げ幅をどんどんひろげる展開で、為替も円安が進んだため午前11時すぎ、ロケットのように100円を超える上昇をみせてプラス圏に達し、前引けは10銭のプラスで終える。甘利経済産業大臣が「引き続きいい数字が出てきた」、安倍首相が「順調に景気は上がっている」と、消費増税に臨む態度は揺るがないと解釈できるコメントを出したことも、財政不安を懸念する外国人投資家の買い戻しを誘ったとみられる。

 後場は為替が円高方向に戻ったのでマイナス圏の13500円台に下げてリスタートし、午後1時30分すぎには為替と連動してさらに下げて13460円近くまで下落。その後は13500円をはさんで一進一退になり、終値は95.76円安の13519.43円だった。TOPIXは-6.29の1134.62。売買高は17億株。売買代金は1兆5971億円で今年最低を記録した。商いが薄くても上下228円も大きく振れる。

 東証1部33業種別騰落率は12業種がプラスで、その上位はゴム、鉱業、非鉄金属、空運、卸売、電力・ガスなど。マイナス業種は不動産、その他金融、証券、情報・通信、海運、銀行などだった。

 12日のNYダウは5ドル安。手がかり難で小幅の値動きで、夏枯れの時期とは本来そういうもの。アップルが新型iPhoneを9月10日に発表するという情報が流れてNASDAQは上昇した。13日朝方の為替レートはドル円が97円台前半、ユーロ円が129円台前半で、前日よりやや円安になっていた。

 日経平均は176.93円高の13696.36円と反発し9日のSQ値13640円を超えて始まる。前場は13700円台に乗せて安定的に推移。取引時間前に発表された4~6月の機械受注が+6.8%で5四半期ぶり増加というニュースよりも、「安倍首相が消費増税と一体で法人税率の引き下げを指示」という日経新聞1面の記事のほうが効く。上海市場が小安く始まって13700円を割り込む場面もあったが、このところ頻発していた為替とセットの先物の仕掛け売りで急落するパターンにはならず前場は13700円台をキープして折り返す。後場の午後2時をすぎると為替とセットの先物の仕掛け買いで急騰するほうのパターンで13800円を突破し、終値は347.57円高の13867.00円で高値引け。TOPIXは+22.53の1157.15。売買高は18億株、売買代金は1兆6391億円という低水準だった。

 全セクターが上昇。上位はパルプ・紙、情報・通信、海運、鉄鋼、ガラス・土石、輸送用機器など。下位は保険、空運、精密機器、ゴム、卸売、電気・ガスなどだった。