EV(電気自動車)は、ただエコな乗り物ではない。様々なシーンでの活躍が期待される可能性に充ちた「機械」でもある。
日産自動車<7201>は、9月より、全国各都道府県の47の「道の駅」に、電力供給システム「LEAF to Home」とEV「リーフ」の提供を開始する。日産は、同社の販売店で試乗車として使われていた「リーフ」1台と「LEAF to Home」1基を、各都道府県の少なくとも1箇所の「道の駅」に無償提供する予定だ。
EVは、日常生活においてだけではなく、地震や台風による停電などの緊急時においても、移動可能な電源として利用することができる。「リーフ」は、電力供給システム「LEAF to Home」を組み合わせることにより、「リーフ」に搭載されたバッテリーに蓄えられた電力を供給することができ、停電時や非常時のバックアップ電源にすることができる。
平常時は、「LEAF to Home」を使って、夜間電力や太陽光発電による電力を「リーフ」のバッテリーに蓄え、電力需要が高まる昼間の時間帯に使用することで、電力負荷を平準化し、電力消費のピークシフトに貢献することが可能である。
「道の駅」は、旅行者のための「休憩機能」、道路利用者や地域住民のための「情報発信機能」、「道の駅」をきっかけに町と町とが手を結び活力ある地域づくりを共に行うための「地域の連携機能」の3つの機能を併せ持っている。
また、「道の駅」は幹線道路沿いに多く存在する公共施設であることから、近年、災害時の活動拠点としても機能を発揮している。「リーフ」のリチウムイオンバッテリーは24kWhの大容量電力を蓄えることができる。「LEAF to Home」と「リーフ」を提供することにより、災害時などの万が一の停電の際、「リーフ」が「道の駅」の施設の一部へ電力を供給することで、「道の駅」が自然災害の際の地域住民の避難所や復旧支援活動拠点として機能できるようになる。
また、「リーフ」を、「道の駅」での食料や日用品の買い物が困難な、高齢者や妊婦などの移動用車両として活用したりすることももちろん可能だ。(編集担当:久保田雄城)