様変わりした国内宿泊旅行事情

2013年08月03日 20:13

 オトナの夏休みといえば、10年くらい前まではお盆をイメージすることが多かった。それが今では様変わりし、大企業を中心に7月から9月頃までの間で、従業員が交代で夏休みを取得するというスタイルが定着している。会社側からは、従業員が交代で出勤するために、営業活動が滞ることを避けることができ、従業員側からは、旅行や帰省するのに、ラッシュ時期やホテルなどの繁忙期を避け時間や旅費を縮小することができる。夏季休暇をお盆に限定しないことにより、有給休暇を合わせて取得しやすくなり、心身のリフレッシュはもとより、有給消化率の高さが会社全体のイメージアップにも繋がっているようだ。

 「じゃらん宿泊旅行調査2013」(リクルートじゃらんリサーチセンター調べ)によると、2012年度(12年4月~13年3月)の国内宿泊旅行実施率は55.8パーセントと、前年度より1.8ポイント減少。宿泊旅行にかけられた費用総額は約6.9兆円で、前年度(震災直後の1年)から1.1パーセント増。1回(大人1人あたり)の宿泊旅行にかかった費用は47,600円。旅先までの交通手段は、飛行機が延べ90万人増で、特に九州から関東・関西、関東から関西、関西から北海道・九州への宿泊旅行者が増加。新幹線・特急列車は、東北新幹線の健闘で関東-東北間を中心に延べ68万人増。一方、自家用車利用は延べ473万人減であった。また、旅行の同行形態について、「一人旅」は調査開始以来、8年連続増加し12年度では14.5パーセントとなり、年齢別にみれば、35歳から49歳男性では、2割超、20歳から34歳男性の23.2パーセントであったという。

 12年は「LCC元年」でもあり、飛行機を利用した旅行が増えていたが、新幹線もお値打ち価格の切符を発売するなどして対抗している。果たして13年度の旅行では、飛行機と新幹線のどちらの人気が集まるのか、そして、自動車の利用数はますます減っていくのか、この結果が来年に向けての旅行計画にも影響する分、興味深い。(編集担当:中村小麦)