【今週の振り返り】15000円乗せどころか上昇たった17円の週

2013年09月28日 20:16

EN-d_300

中間期の権利確定イベントに大型株式分割のラッシュ、「先物の空中戦」がからむ波乱

 前週末20日のNYダウは185ドル安と大幅続落。株価指数の先物、オプションの清算日にHP、アルコア、バンカメ3銘柄のNYダウからの除外も重なって出来高は前日の約3倍に膨らんだが利益確定売りに押された。22日のドイツの総選挙は、メルケル首相の所属政党は大勝しても単独過半数に届かず、連立相手の政党が議席ゼロの大敗を喫したため連立組み替えが経済政策を制約しかねないという悩ましい結果になった。

 23日のNYダウは49ドル安で3日続落しNYダウに新たに加わったゴールドマンサックス、VISA、ナイキの3銘柄は揃って下落。連邦議会では債務上限問題がらみの予算案審議の行き詰まりで政府機関の一時閉鎖の話まで出て市場は混迷した。24日朝方の為替レートはドル円は98円台後半、ユーロ円は133円台前半で、前週末よりも円高が進行した。

 NYの軟調もあり取引前の外資系証券の売買注文動向は売り越し。日経平均は116.38円安の14626.04円で始まるが、次第に下げ幅を圧縮。しかし14727円をピークに14600円台後半でもみあい、午前10時台は徐々に下げる。それでも14600円は割り込まず後場は持ち直す。午後1時30分すぎから14700円にたびたびタッチ。2時台はさらに上昇し、2時30分をすぎると為替の円安のフォローも受け先物、現物の順にプラスに浮上した。しかしTOPIXがマイナスのままの「NTねじれ現象」が続き、大引け直前の最後の下押しで終値は9.81円安の14732.61円。TOPIXは-4.11の1214.87だった。売買高は28億株、売買代金は1兆9235億円で、4日ぶりに2兆円の大台を割った。

 東証1部業種別騰落率のプラスは9業種。プラス上位はパルプ・紙、情報通信、鉄鋼、石油・石炭、医薬品、化学など。マイナス下位は金属製品、保険、不動産、精密機器、鉱業、電気・ガスなどだった。

 24日のNYダウは66ドル安で4日続落。連邦議会は債務上限引き上げ問題も新年度予算案審議も進展なし。消費者信頼感指数は前回から2.1ポイントも低下した。25日朝方の為替レートはドル円は98円台後半、ユーロ円は133円近辺の円高水準になっていた。

 日経平均は19.58円安の14713.03円で始まる。下落し14700円を割り込んだ後に急反発し午前9時台後半はプラスにタッチするが、10時台は再び14700円割れ。権利付き最終売買日なのでやはり値動きは激しい。後場もおおむね14600円台で推移したが、午後1時40分頃から急伸して14700円を突破する。しかしプラスにはタッチできない。「御三家」の腰が重く、配当取りや株主優待取りを狙う勢力がいくら買いを繰り出しても粘って土俵を割らない。やがて為替の円高も加わり2時30分頃から押し返されて後退し、14700円、14650円を次々に割り込んで、日経平均採用銘柄の入れ替えもからんで噂された「大引け前の大量買いで高値引け」のうっちゃり大逆転も起きずに112.08円安の14620.53円で逆に安値引けの完敗。TOPIXは-3.72の1211.15で大崩れしておらず、2時台の先物売り攻撃にしてやられた。売買高は31億株、売買代金は2兆2281億円だった。

 業種別では7業種が上昇し、化学、海運、電気・ガス、銀行、鉱業、輸送用機器など。下落した業種は鉄鋼、非鉄金属、機械、空運、不動産、建設などだった。

 25日のNYダウは61ドル安で5日続落と深刻。8月の耐久財受注、新築住宅販売件数は市場予想を上回ったが、債務上限引き上げ問題も新年度予算案審議もトンネルの出口が見えず足を引っ張る。ルー財務長官は「デフォルト回避の緊急措置は10月17日に限界に達する」と警告。小売大手のウォルマートが発注を減らしたという話も個人消費の先行き不安をあおっていた。取引終了後に安倍首相が取引所内で講演し「Buy my Abenomics(アベノミクスを買ってください)」と日本買いをアピールした。26日朝方の為替レートは、ドル円は98円台半ば、ユーロ円は133円台前半で前日とあまり変化がなかった。

 前日は3月期決算企業中間期の権利付き最終売買日で、一夜明けて「配当権利落ち」の日。配当落ち分は日経平均は約80円、TOPIXは約8.5ポイントと推計されていた。日経平均は67.47円安の14553.06円で始まり、しばらくは前日比マイナス配当落ち分近辺の小動きだったが、午前9時30分頃から急落して15分ほどで14410円まで下げる。TOPIXも1200を割った。その後は徐々に戻し、11時台には共同通信が「消費増税に伴う政府の経済対策で『法人税引き下げを早期に検討』と明記することで最終調整に入った」と報じたことで円安が急進して99円にタッチし、日経平均は14500円、14600円を突破してTOPIXをマイナスに置いたままプラスに浮上した。