24日、インターネット通信販売大手の「アマゾン・ジャパン」は、一般用医薬品(大衆薬)の取り扱い・販売を開始したと発表した。これは、一般用医薬品のネット販売規制を無効とした最高裁判所の判決を受けて行われたものであり、厚生労働省は現在、一般用医薬品のネット販売に対する新しいルールを検討中だが、今回のこの「アマゾン・ジャパン」の参入により、通信販売業界における薬のネット販売は、ますます加速するとみられる。
「アマゾン・ジャパン」が取り扱うのは、比較的副作用の少ないビタミン剤などの「第3類医薬品」のほかに、ある程度のリスクがあるとみなされている風邪薬といった「第2類医薬品」も含まれ、その品目の数は1千数百以上あるとみられている。ただし、直接販売を行うのではなく、薬剤師がお客からの問い合わせに応じることの出来る、小売業者を対象とするとのこと。「アマゾン・ジャパン」が運営するネットモールに出店している、小売業者などがその対象となる。
こうした、インターネット通販にて5000万品目以上を扱う「アマゾン・ジャパン」の参入により、ネット市場における一般用医薬品の規模は、さらに広がることは間違いない。
小売業界ではこの夏までに、家電量販店大手のヤマダ電機<9831>、ビックカメラ<3048>の通販サイトや、イオン<8267>のネットスーパーなどが「第2類医薬品」の取り扱いを始めたほか、セブン&アイ・ホールディングス<3382>でも「第3類医薬品」の取り扱いが行われている。
一般用医薬品のネット販売を巡り、今年の1月に最高裁は、比較的副作用のリスクが高い「第1類医薬品」「第2類医薬品」の販売を一律禁止とした省令を無効とする判決を下しており、事実上の「解禁状態」にあった。
今月20日に厚生労働省の関係者は、実際の店舗を持たないネット事業者による販売は認めないとした、安全確保のための新しいルールを大筋で合意し、今後、最終報告書の取りまとめを待ち、薬事法や関連省令などの改正作業を進める模様。(編集担当:滝川幸平)