菅義偉官房長官はインターネットでの医薬品販売に関する政府としての判断時期について「最高裁判決を踏まえた政府としての対応を、G8サミット(今月16日、17日)までに予定されている成長戦略や規制改革実施計画の策定までの間に速やかに取りまとめたいというのが基本的な考え方だ」と決定時期を限定して語った。
医薬品のネット販売は厚生労働省が副作用の危険性から安全性の確保を図るため「対面販売を原則」とし、特に副作用の危険度の高い第1類医薬品や第2類医薬品の通信販売を一部の例外を除き、認めてこなかった。
これに対し、ネット通販会社が起こした裁判で、今年1月、最高裁が医薬品の通信販売を厚生労働省が省令規制したのは「新薬事法の委任の範囲を逸脱した違法なもので無効」としたことから、新たなルールの下で安全性を確保しながら、最高裁の判決を踏まえた対応が求められている。
菅官房長官は、記者団から「第1類医薬品の一部を除いて、ほとんどの医薬品のネット販売を認める方向なのか」ときかれ、「率直に今、意見交換している。政府として、最高裁判決の趣旨さらに安全性の確保も必要であり、そうしたものを踏まえて精力的に議論している。それが今日の実態だ」と議論が安全性重視の厚生労働省と規制改革を推進する側との間でかなり突っ込んで行われていることをうかがわせた。(編集担当:森高龍二)