3秒に1本、世界の何処かで売れているウイスキー

2013年10月13日 23:06

GL Chapter

左端はザ・グレンリベット12年で、これをベンチマークとしてテイスティングを進めた。ハーフボトル左から「CLASSIC」「REVIVAL」、そして「EXOTIC」

 ジョージ・スミスのウイスキーとして18世紀初頭から有名だった蒸溜所は、1824年に英国政府第一号の公認を得たスコッチモルト蒸溜所だ。その名声にあやかろうとした幾多の蒸溜所がグレンリベットの名称を勝手に使うようになった。そこで、ブランドを守るために提訴、1884年に判決が下り、“本物のグレンリベット”だけが定冠詞「THE」を付けることが許された。以後、スコッチモルトウイスキーのナンバーワンにある。現在、世界中のどこかで「3秒に1本、ザ・グレンリベットが売れている」という。

 その有力ブランドが、またしても面白い企画に乗り出した。ザ・グレンリベットの会員制ファンクラブ「ザ・ガーディアンズ」のメンバーを対象に世界中で「ザ・ガーディアンズ・チャプター」と題するプログラムを実施している。これは、同蒸溜所のマスターディスティラー、アラン・ウィンチェスター氏が作った3種類のウイスキーを世界中のファンにテイスティングして貰い、来年の「ザ・グレンリベットの限定ボトル」を投票で決定するという企画だ。そのテイスティングと投票に筆者も参加してきた。

 テイスティングの供された3種のモルトは、「CLASSIC」「REVIVAL」、そして「EXOTIC」だ。テイスティングには、何と「和」の食材がペアリングされ、シェリー樽由来なのか印象的な甘さの「CLASSIC」には白餡の和菓子、バーボン樽熟成と思われるフレッシュな印象の「REVIVAL」には水茄子、複雑なアロマでスパイシーな「EXOTIC」には何と“いぶりがっこ”をあわせた。世界で同様のイベントを開催してきたが、国ごとに合わせるフードペアリングは異なっているという。ちなみに、英国本国では“いぶりがっこ”の代わりにブルーチーズを合わせた。

 同様イベントの投票で決定された限定ボトルは2014年5月に世界中でリリースする予定。販売数量は2000ケースというから2万4000本。価格も決定しており米ドルで85ドル/本だという。名前は未定だが、このイベントのために来日した同社ブランドアンバサダーのイアン・ローガン氏によれば「内緒だけど、『ザ・グレンリベット・チャプター』になる」と囁いた。(編集担当:吉田恒)