自民党の石破茂幹事長は21日の衆議院予算委員会で「集団的自衛権の問題はどうしてもやり遂げたいと総理もわたしも思っているが、そういう問題が俎上にのぼったときに、万全の態勢で臨めるよう周到に綿密に誠実に準備を重ねておく時間が必要だ」と総理に語った。
また、安全保障に関連しての特定秘密保護法案について「なんで今までやらなかったのかと問われてしかるべきだ」とこれまでに法制化しておくべきだったとの考えを述べたうえで「法案は各省ばらばらにされていた秘密を統一基準で定め、その情報が明らかになれば国家の安全保障にとって重大な影響を与える恐れのあるものと厳しく基準を決め、誰がそれを取り扱うかを明確にし、そのことを知ったうえで漏えいした場合にどうなるかで抑止力を高める。そうしないと、NSCをつくったところで本当の情報が入ってこない」と語った。そして、NSCの機能を実効あるものにするには特定秘密保護法が必要だと強調。
石破幹事長は同法によって恐れられているのは行政の恣意で秘密にされてしまうのではないかということだとし、特定秘密指定の基準づくりにあたっては「権威ある機関によって、何が特定秘密かを決めることは重要」とした。石破幹事長は「行政府の恣意を防ぐことが大事」とし、基準作りは「総理の諮問機関で良いとは思っていない」と総理の考えを求めた。
安倍総理は「安全保障上、重大な決断をしなければならない可能性は常にあるので、その際に、総理がどのような対策をとるか、あらかじめ選択肢が用意されていた方が良い。選択肢により同盟国との関係はどうか、アジア近隣諸国との関係はどうかなどの分析など、さまざまな分析が必要だ。また、各国情報機関と情報共有する場合、秘密を厳守することは大前提になる。このため、NSCを機能させるには是非とも必要になる」と法制化の必要を語った。
森まさこ国務大臣は「従来から秘密扱いされているもののうち、安全保障、テロ、スパイ活動など、特に秘匿を必要とする情報を特定秘密に指定するもので、従来の秘密のものを拡大するものではない」と強調。「特定秘密は行政の長が5年ごとに延長することになっており、5年毎だと長が同一人物でない可能性もあり、そこでのチェック、30年後には内閣の承認を要することにしているし、国民の知る権利をしっかり法定し、情報公開法の手続きも適用することで、行政の恣意を排除していく」と答弁した。
石破幹事長は「この国会で行政の恣意を排除する方法をしっかり議論いただきたい」と提起した。(編集担当:森高龍二)