自動車取得(しゅとく)税、消費税、自動車税、軽自動車税、重量税、ガソリン税、揮発油税、車検費用、自賠責保険、自動車保険。これらは現在、自動車を購入・所有し運用することで必要な税金・経費だ。
そして、2014年、とうとう消費税が上がる。段階的とはいえ、当面8%に。次いで翌年には10%に上がる。自動車を購入すると物品税に等しい自動車取得税と消費税という2重課税状態となり、問題視されてきた経緯がある。このため、消費税増税にともない、自動車取得税の見直しが進められる。政府が「税制改正大綱」に盛り込んだ内容によると、消費税率が8%に上がる2014年4月段階で地方税の自動車取得税を軽減し、消費税が10%に上げた時点で廃止するとしている。
この自動車取得税の廃止により年間1900億円の地方税が消え、全国知事会が猛反発している。ここで急浮上してきたのが軽自動車税のアップである。年額7200円と1000cc未満のコンパクトカーの自動車税(2万9500円)と比べて極端に安い税を2倍にすれば1900億円を穴埋めできるのだ。当然ながら、これには軽自動車メーカーから一斉に反対の狼煙が上がっていて、スズキ自動車の鈴木修社長兼会長は「弱いものいじめ」と発言したという。ただ、自動車評論家や識者のなかには、軽自動車税を倍にしても「まだ、登録車の半額以下、(軽自動車の)メリットは十分にある」という意見が多い。
この一方で、「軽自動車税の増税よりも高級車の税額をアップすべき」といった、やや社会主義的な意見もあるようだ。が、フェラーリやロールスロイスなど3000万円超のクルマは登録台数も少なく、1900億円を担保するには、いったい税額を幾らにすればいいのだろう。そもそも、高級車と一般車のボーダーラインはどこなのか?という問題が残る。筆者は高級車ユーザーを擁護するわけではないが、消費税が10%になる2年後には、3000万円を超えるクルマを購入すると、300万円の消費税を高級車オーナーは支払うことになる。
現在適用されているグリーン化税制も厄介な問題を抱えている。いわゆるエコカー減税というやつだ。まず、自動車重量税は一定の基準を満たすことで免税や軽減となり、新車登録から最大5年間適用される。また、自動車税と自動車取得税は燃費基準に応じて免除・減額が行われている。
このグリーン化税制には、落とし穴とも思える重課制度があり、登録から11年経過したディーゼル車、13年を過ぎたガソリン車の自動車税は10%以上アップとなる。クルマを大切に永く使う人にとってデメリットとなる税制なのだ。(編集担当:吉田恒)