介護保険2割負担に思う

2013年10月24日 18:02

 高齢者の大半は年金暮らし、政府が打ち出した介護保険の2割自己負担増を巡り、高齢者の間では不安が高まっている。介護保険を利用する時の自己負担を、これまでの1割から2割に引き上げようというもので、その線引きが所得の高い高齢者となっており、曖昧さが残る。

 政府の社会保障国民会議で、先に決めた年齢別から、負担能力別に負担の在り方を切り替えたのだ。つまり介護保険利用者負担を、所得の高い人に2割の自己負担にするということだ。

 その所得の高い人の基準は、年金収入280万円以上か、同290万円以上の二つの案が出ている。支払い能力がある高齢者の負担を重くするのは、今回だけではない。医療保険で、70歳以上の自己負担は1割だ(70~74歳は特例で、1割に据え置き)。だが収入の多い所帯は、現在でも3割負担している。

 一方年金では、高齢者の基礎年金を減らすことが検討されてきたが、この案は、実現できなかった経緯がある。しかし高齢者の中で、所得が多い人は、暮らしにも余裕がある人と言えるのか、年金収入は、現状でもギリギリの状態と言う人が多い。

 これで諸物価は上がる、来年には消費税増税が待っている。政府の法人税減税で、賃金は上がるかもしれないが、年金が上がることはまずない。ここまで追い込まれているのである。

 これで医療費負担増となり、介護保険も負担増となると四面楚歌の状態だ。また介護保険と医療保険には、かかった費用を合計し、高額になったら所得に応じて、自己負担に上限を設ける制度もある。この負担上限の適用においては、医療と共通の線引きを残す方向だ。利用者には複雑で分かりにくい制度となっているのは否めない。

 今後医療や年金との整合性をどう考えるのか、2割負担になる人の暮らしは本当に圧迫されないのか、審議会で真剣に検討する必要があろう。

 医療や年金の基準の曖昧さなど、朝令暮改の政府の政策に戸惑う国民は多い。(編集担当:犬藤直也)