MotoGP最終戦バレンシアGPはロレンソ優勝

2013年11月11日 13:04

GP21

レース中盤、トップを走るJ・ロレンソ、追いすがるM・マルケスを徐々に離していく

 2013年MotoGP世界選手権シリーズ最終戦、バレンシアGPは、11月10日スペイン・バレンシアのリカルド・トルモサーキットで行われ、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が2位のダニ・ペドロサ(ホンダ)に大差をつけて3連勝を飾った。3位は、マルク・マルケス(ホンダ)4位バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)5位アルバロ・バウティスタ(ホンダ)が入った。日本の青山は16位でフィニッシュした。

 チャンピオンシップは、第16戦のオーストラリアGPで、M・マルケスが失格によるノーポイントとなり、同GPで優勝したJ・ロレンソが続く日本GPでも連勝し、1位・2位との差はわずか13ポイントで最終戦にもつれ込んだ。

 このレースで、M・マルケスは4以内に入れば、たとえJ・ロレンソが優勝してもチャンピオンが決定するとあって、いつものアグレッシブなレースは影をひそめ、堅実なレースを展開、3位を確保し、史上最年少の最高峰クラスのチャンピオンとなった。

 レースは、気温23度、路面温度27度のドライコンディションの中、26人のライダーによる30周回で行われた。スタートは、PPのM・マルケスが3位に落ち、2番グリットのJ・ロレンソが好スタートでトップに、次いで3番グリットのD・ペドロサが続いた。

 いつもの3強の独走が続くと思われたが、今回のレースは少し違った。チャンピオン獲得に闘志を燃やすJ・ロレンソは自力でのチャンピオン獲得ができないため、いつもの先行逃げ切りのレースをせず、3位以降の後続が追いつけるペース配分でレースを引っ張る。2周目に入ると2位のD・ペドロサが果敢に仕掛け、J・ロレンソを抜きトップに躍り出る。すぐにJ・ロレンソが抜き返す。2人の白熱したデッドヒートは、8周目まで続く。D・ペドロサがこうしたアグレッシブなレースを見せるのはこれまでにない展開だ。

 2人のスペイン人の猛烈なバトルに、10万人を超す地元の観衆は総立ちになって声援を送る。3位に付けているM・マルケスは全く仕掛けようとはしない。

 9周目に入り異変が起こった。トップ争いをしていたD・ペドロサがJ・ロレンソと接触5位に転落。2位に上がったM・マルケスは、一度はトップに立ったが、直ぐにJ・ロレンスに抜かれ、そのままトップを譲り、差をつけられてゆく展開となる。

 そのままレースは終了し、J・ロレンソは3戦連続、今シーズン8度目の優勝を飾ったが、M・マルケスが3位に入り、チャンピオンシップを獲得した。

 今シーズンを振り返ると、スーパールーキーM・マルケスが、数々の新人記録を塗り替え、新時代到来を告げるルーキーイヤーであった。

 そして3強に見られるようにスペイン勢の活躍があった。これはMotoGP最高峰クラスだけでなくMoto2、Moto3を含めて言えることで、表彰台でスペイン国家が流れない日はなかった。

 最終戦までもつれこんだ混戦のチャンピオンシップ、記憶に残る数々のドッグファイト、晴天下でのフラッグトゥフラッグレースなど劇的な今シーズンが幕を閉じる。来シーズンは、M・マルケスがどこまで成長を続けるのか、円熟味を増し、不屈の闘志でチャンピオン獲得を目指すJ・ロレンソが巻き返すのか、悲願のチャピオンシップ獲得を狙うD・ペドロサ、ヤマハに復帰し復活を期すV・ロッシ、そしてM・マルクスに次ぐ新人の活躍に大いに期待したい。 (編集担当:犬藤直也)