【今週の振り返り】280円上昇したのは円安進行に大感謝祭の週

2013年11月30日 14:50

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前週末からドル円は1円、ユーロ円は3円も円安に振れたのに、なぜトヨタは0.63%しか上昇しない

 27日のNYダウは24ドル高で感謝祭前に5日連続史上最高値更新。新規失業保険申請件数は1万件減少。シカゴISM景況感指数、ミシガン大学消費者景況感指数改定値は市場予測を上回り、好決算のHPは9.1%の大幅上昇でIT株やクリスマス商戦直前の小売株が高い。それでも高値警戒感でマイナスの時間帯があった。ドル円は、日銀の白井さゆり審議委員の「日銀のシナリオが崩れる可能性が高まれば躊躇なく追加緩和すべき」という発言に反応して102円台に乗せ、28日朝方の為替レートはドル円102円台前半、ユーロ円138円台後半で、円安が進行していた。

 日経平均は172.56円高の15622.19円と大幅反発スタートし、直後に5月22日の終値ベース年初来高値15627円を越える。前場は15600円台前半の小動きが前引けまでずっと続く「なぎ」の状態。後場は少し高く始まり15665円の高値を取るが、その後は前場同様に15600円台前半の「水平飛行」を続ける。それでも午後2時台には先物の買いが入って気流が変化し断続的に小刻みな上昇を繰り返した後、浮上の勢いを強めて2時47分に15700円にタッチ。大引け前には15700円台にしっかり乗せ、277.49円高の15727.12円で終値ベース年初来高値更新。しかし5月23日のザラ場ベース年初来高値15942円まではまだ200円以上ある。TOPIXは+13.96の1261.04で高値引け。TOPIXのザラ場ベースの年初来高値1289.77まではあと28.73。売買高は22億株、売買代金は1兆9675億円で2兆円には届かなかった。

 値上がりセクターは31業種で、上位は海運、パルプ・紙、その他金融、精密機器、鉄鋼、機械など。下位は陸運、その他製品、水産・農林、繊維など。値下がりセクターは鉱業と石油・石炭の2業種だった。

 28日のNY市場は感謝祭で休場。29日朝方の為替レートはドル円102円台前半、ユーロ円139円台前半でユーロ高が進行した。

 日経平均は65.69円安の15661.43円で始まる。午前10時30分頃までは水平飛行だったが、ドル円が30銭ほど円安に振れるに従って上昇し10時52分に一瞬プラスにタッチ。その後も15700円台を維持してプラスで終わる期待を後場につないで前引けを迎えた。しかし、その期待を粉々に粉砕したのが午後1時の時報と同時に始まった先物主導の急落で、「利益確定売りの金曜日」が牙をむく。下落のタイミングも、1時19分の安値15507円まで200円を超える下落を喫したところも前週22日の金曜日とそっくりで、その間、ドル円は30銭ほど円高に反転していた。

 その後は徐々に持ち直し1時台のうちに15600円にタッチ。2時台にも少しずつ下げ幅を圧縮していき、終値は65.25円安の15661.87円。始値から44銭安いだけの水準まで戻し、ローソク足で十字架を立てて終わった。日中値幅は220円もあった。今週の星取は2勝3敗と負け越したが前週末比で280.15円も上昇。11月の取引も終了し、10月31日の終値から1333.93円も大幅上昇した月になった。TOPIXは-2.38の1258.66。売買高は23億株、売買代金は3日ぶりに2兆円を超えて2兆1536億円だった。

 上昇セクターは11で上位は海運、卸売、ゴム製品、金属製品、建設、その他製品など。下落セクターは22でその下位は鉱業、パルプ・紙、証券、情報・通信、銀行、不動産などだった。(編集担当:寺尾淳)