【今週の展望】12月の日本株に必要なのは「中身の充実」

2013年12月01日 20:12

 今週、12月第1週(12月2~6日)は5日間の取引。1年納めの師走相場が名実ともに始まる。大納会は30日。

 国内の経済指標は、2日は7~9月期の法人企業景気予測調査、11月の新車販売台数、11月の大手百貨店売上高速報、3日は11月のマネタリーベース、10月の毎月勤労統計調査、11月のファーストリテイリング<9983>の国内ユニクロ既存店売上高、6日は10月の景気動向指数が、それぞれ発表される。

 2日には政府の税制調査会総会が開かれ、4日までの日程でアメリカのバイデン副大統領が来日する。2日に名古屋市で黒田日銀総裁が金融経済懇談会に出席し、終了後に記者会見を行う予定。臨時国会は6日に会期末を迎えるが、どうなるカジノ関連法案。7日にはシンガポールでTPP閣僚会合が開催される。なお、2日から7日までアゼルバイジャンのバクーで開かれるユネスコの第8回政府間委員会で、「和食:日本人の伝統的な食文化」のユネスコ無形文化遺産への記載(登録)の可否が最終決定される。和食レストラン銘柄は要注目と言えそうだ。

 主要企業の決算は、2日はピジョン<7956>、伊藤園<2593>、イーブック<3658>、3日は東建コーポレーション<1766>、ビットアイル<3811>、4日はモロゾフ<2217>、東京楽天地<8842>、5日は積水ハウス<1928>、三井ハイテック<6966>、6日はSUMCO<3436>、クックパッド<2193>、ロックフィールド<2910>、ポールトゥウイン・ピットクルーHD<3657>、3Dマトリックス<7777>、シーイーシー<9692>、精養軒<9734>、丹青社<9743>などが、それぞれ発表する予定。

 例年、12月は新規IPOラッシュになる月で、今週は2件ある。3日にライドオン・エクスプレス<6082>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社の調理済食材の宅配事業を行う会社で、公開価格は2000円。6日にオンコリスバイオファーマ<4588>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社のがんや重症感染症対象の創薬事業を行う会社で、公開価格は2600円。現在40連勝中の「公開価格<初値」の記録をどこまで伸ばせるか。なお、3日には時価総額がソニー<6758>よりも大きい楽天<4755>がジャスダックから東証1部に指定替えになる。TOPIXのリバランスは1月とみられている。

 海外の経済指標は、2日は中国の11月のHSBCの製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、フランス、ドイツ、ユーロ圏の11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、アメリカの11月のISM製造業景況感指数、9月、10月の建設支出、3日はアメリカの11月の新車販売台数、4日はフランス、ドイツ、ユーロ圏の11月のサービス業購買担当者景気指数(PMI)確報値、ユーロ圏の7~9月期の国内総生産(GDP)速報値、10月の小売売上高、アメリカの11月のADP雇用統計、10月の貿易収支、9月、10月の新築住宅販売件数、11月のISM非製造業景況感指数、ベージュブック(地区連銀経済報告)、5日はアメリカの7~9月期の国内総生産(GDP)改定値、10月の製造業受注、6日はフランスの10月の貿易収支、ドイツの10月の製造業受注、アメリカの11月の雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)、10月の個人所得・個人消費支出、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月の消費者信用残高、8日に中国の11月の貿易収支が、それぞれ発表される予定になっている。

 2日はアメリカのクリスマス商戦でネット通販がセールを行う「サイバーマンデー」の日。最近のクリスマス商戦は感謝祭翌日の「ブラックフライデー」ではなく感謝祭当日から店を開けて始まるが、その緒戦の売上速報が11月30日にショッパートラック社から発表され、週明けの株式市場に影響するかもしれない。2日にはバーナンキFRB議長が講演を行う。3日にはオーストラリア準備銀行理事会が開かれる。3日から6日まではインドネシアのバリ島でWTO閣僚会議。4~5日はイングランド銀行の金融政策委員会が開催される。5日は欧州中央銀行(ECB)の定例理事会で、政策金利が発表された後にドラギ総裁が記者会見を行う。アメリカの主要企業の決算は5日にダラー・ゼネラルが行う予定になっている。