復興特別法人税1年前倒し 注目は賃金への反映

2013年12月05日 20:57

 日本経済団体連合会の米倉弘昌会長は5日、政府が5.5兆円規模の国費で、野党を中心に批判が多かった「復興特別法人税の1年前倒しでの廃止」を実行するための補填分8000億円を含めた経済対策を決定したことに「来年4月以降の景気下振れリスクへの備えとして、産業競争力強化や東日本大震災被災地復興など5.5兆円規模の経済対策が決定されたことは誠に時宜を得たもの」と評価した。

 特に「復興特別法人税の前倒し廃止の決定はわが国企業の活性化に資するもの」とし「大いに評価する」とコメントした。

 復興特別法人税の1年前倒しの廃止で、政府・与党は結局、当初予定通りに復興特別法人税のみを廃止し、復興に係わる個人負担だけを続ける判断を下した。これについて「旧自民党時代の大企業優遇政策路線の復活」との批判もでている。

 こうした批判がでる中で、米倉会長は「企業減税の効果が適切に従業員へ還元され、一刻も早い経済の好循環に結びつくよう、経団連としても積極的に取り組んでいく」と語った。

 政府・与党は復興特別法人税の廃止は『賃金の上昇につながることが前提』としており、個人所得に反映するかどうか、今後の注目点になりそう。

 なお、今回の国費投入5.5兆円の内訳をみると、競争力強化策に1.4兆円、防災・安全対策に1.2兆円、震災復興に1.1兆円、家計への現金給付(低所得者や子育て世帯への給付)に6500億円、女性や若者、高齢者施策のために3000億円、復興特別法人税1年前倒し廃止補填分8000億円になっている。(編集担当:森高龍二)