日本経済団体連合会の米倉弘昌会長は9日、10月の経常収支が原油など輸入額の増加に伴い貿易収支で1279億円の赤字と9か月ぶりに赤字になったことに触れ「エネルギー輸入が貿易赤字の主な要因になっている」とし「安全性の確認された原発はできるだけ早く再稼動させていく必要がある」と強調した。
輸出入の貿易収支は輸出で自動車や鉱物性燃料が順調な増加をみせるなど、総額で5兆8332億円となった。一方、輸入は原粗油や液化天然ガスなどの額が増え、総額では6兆9251億円と貿易収支は1兆919億円の赤字になった。米倉会長はエネルギー政策だけでなく、貿易上も原発再稼動を早期に行う必要があるとした。
一方、7月から9月期のGDP成長率(2次速報値)が下方修正されたことについては「在庫投資が下方修正なったことが大きい。これは景気が上向くことを示唆している」とした。
米倉会長は「個人消費は上方修正されており、経済全体は底堅く推移するものと期待している』と語るとともに「設備投資も上向いていくだろう。消費税率引き上げ後の経済の下振れ対策として好循環実現のための経済対策(国費で5.5兆円)も打ち出されており、先行きについては心配していない」と語った。(編集担当:森高龍二)