苦戦中の回転寿司業界。今後の行方は?

2013年12月12日 17:29

 休日の夕方、郊外の回転寿司店には駐車場待ちのクルマで溢れかえっている。

 お店の繁盛ぶりとは裏腹に、回転寿司各社は苦境を迎えているようだ。「円安」「不漁」などの影響を受け、売上げ増へとはつながっていないのが現状だ。かっぱ寿司に至っては二期連続赤字となっている。

 そんな業界背景もあり、10月29日、「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトホールディングス<7421>と「元気寿司」<9828>の二社が統合を前提に業務提携すると発表した。当面は店舗運営や仕入れ、物流などで提携を深めていくようだが、準備が整えば近い将来、経営統合を目指していくようだ。市場シェアは、かっぱ寿司が業界第2位、元気寿司は業界第5位。今後、統合が進めば業界第1位に躍り出る。
 
 肝心の消費者は最近の回転寿司に対してどう思っているのか――。マルハニチロホールディングスが行った「回転寿司に関する消費者実態調査2013」は消費者の回転寿司に対する考えをまとめている。多数あるアンケート結果だが、幾つかピックアップしてみる。

 「回転寿司店に行くと何皿食べますか?」という質問には、男性平均「11.2皿」、女性平均「8.7皿」。1人あたりの金額は約3,000円という結果に。

 回転寿司での注文の仕方は、「注文派」6割強、「流れているネタ派」は2割強。注文して握ってもらい食べるという人が圧倒的に多い。そして、「躊躇したり、勇気がいる一皿の価格帯は?」という質問には、平均416円、男性平均431円、女性平均402円。高額な皿は400円がボーダーラインということが分かった。

 最後に、絶対に値上がりしてほしくない寿司ネタは?という質問の第1位は「サーモン」。また、回転寿司での最初のネタは断トツでサーモン。近年はマグロよりもサーモンの方が人気が高いようだ。

 全国に4000店舗ある回転寿司だが、今後、経営のバランスと消費者のニーズを満足させる二つの天秤をどのように図っていくのか売上げ向上のポイントのようだ。「かっぱ寿司」と「元気寿司」の化学反応は、業界に新たな風穴を開けることができるのか――。今後、その部分にも注目して回転寿司業界を見てみるのも面白いだろう。(編集担当:久保友宏)