「メディカルコスメ」のドクターシーラボが業績悪化 時短コスメの競争激化で

2013年12月15日 10:55

 皮膚の専門家が開発にかかわる「メディカルコスメ」がヒットし、通販化粧品の市場を牽引してきた「株式会社ドクターシーラボ」が苦戦している。

 同社が先日、発表した2013年8~10月期の連結決算は、売上高は71億円で前年同期比マイナス0.4%、純利益は同マイナス19%の7億1400万円にとどまった。
 
 ドクターシーラボが苦戦している理由は、主力の化粧品「アクアコラーゲンゲル美白」の不振だ。同商品は「洗顔後、これ1つでOK」をうたった「時短コスメ」のひとつ。化粧水や乳液、美容液の機能を1つにまとめたオールインワンジェルで、数年前から忙しい女性たちの間でヒットしている。ドクターシーラボは「時短コスメ」市場を牽引してきたメーカーのひとつだ。

 しかし近年では参入するメーカーが増え、競争が激化。価格も安いものから高価なものまで、様々な商品があふれるようになった。化粧品のクチコミサイト、アットコスメの「オールインワン化粧品」部門には、1400種類もの商品が登録されている。ドクターシーラボが「メディカルコスメ」というだけで独自性を打ち出すことは難しくなっている。

 同社は13年8~10月期、主力の「アクアコラーゲンゲル美白」の積極的なプロモーションを行ったものの、新規顧客の開拓ができず、広告宣伝費がかさんだ。一方で、中高年齢層向けのやや高価な「アクアコラーゲンゲルエンリッチリフトEX」は、従来商品を大幅にリニューアルし好調。「美禅食」「青汁」などの健康食品もよく売れたものの、利益率の高い美白化粧品がふるわなかったことで、全体としては不振だった。

 今期は通販部門に欠かせないコールセンターの立ち上げ費用や、オペレーターへの研修費用なども増え、収益性の悪化につながったようだ。

 足元では業績が悪化しているものの、同社は今後、主力のオールインワン美白化粧品の販促効果が現れ始めると見込む。来期の連結業績予想は、当初の数値を据え置き、純利益が前年同期比2.1%プラスの25億円と予想している。(編集担当:北条かや)