週明け16日のNYダウは129ドルの大幅高。ドイツやユーロ圏の12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が上昇しヨーロッパ市場は堅調。11月の鉱工業生産指数の伸びが市場予測を上回るなど指標が良く大幅高を維持した。ゴールドマンサックスが「今回のFOMCで縮小開始はない」とレポートしたが市場関係者の見方は相半ば。TモバイルUSの買収検討が伝えられたスプリントは小幅安だった。17日朝方の為替レートはドル円は103円台前半、ユーロ円は141円台後半で前日夕方からやや円安に振れていた。
取引時間前の外資系証券の売買注文動向は売り越しだったが、前日に下がりすぎ気味だった日経平均は137.31円高の15290.22円で反発スタート。しかし序盤は15300円台に乗せても25日移動平均線15329円手前で折り返し、その後は直近SQ値の15303円が抵抗線になって上値を抑えられたまま。前引けは15295円で買い戻されて自律反発する範囲内。後場はドル円が103円を割り込んで変動レンジが15250~15280円に下押しされたが前場同様、水平飛行が続く。それでも午後2時前から少し上昇して15300円にタッチするが、すぐ押し戻される。終値は125.72円高の15278.63円。TOPIXは+9.36の1232.31で5日ぶりに反発した。売買高は19億株で10月21日以来の20億株割れになり、売買代金も1兆7990億円と少ない。日中値幅は74円で、FOMC待ちで商いも動きも乏しい日だった。
値上がり銘柄は1277で72%を占め、値下がり銘柄は393。業種別騰落率も30業種が上昇し、下落は証券、空運、鉱業の3業種だけ。上昇業種の上昇率上位はパルプ・紙、金属製品、保険、水産・農林、鉄鋼、倉庫など。下位は不動産、医薬品、精密機器などだった。
日経平均採用225種は値上がり178銘柄、値下がり38銘柄。プラス寄与度1~3位は「御三家」で、合計で+50円。御三家は売買代金でも1、6、7位。その1位で150円高のソフトバンク<9984>はUBSがレーティングを引き上げ、目標株価は11400円で終値8770円より3割高く相当な期待度。マイナス寄与度1位はダイキン<6367>、2位はKDDI<9433>で、合わせて-6円だった。
メガバンクのみずほ<8411>は値動きなし、三菱UFJ<8306>は2円高、三井住友FG<8316>は35円高。りそなHD<8308>は大和証券が目標株価を引き上げ6円高と買われていた。騰落率最下位の証券セクターは野村HD<8604>4円安、大和証券G<8601>14円安など全体的に不振だった。
自動車はバークレイズが来年のトップピック銘柄に選んだホンダ<7267>が30円高、スズキ<7269>は52円高だったが、日産<7201>は6円安、富士重工<7270>は今期の1台当たり利益がトヨタ<7203>をしのぎ業界首位になったが12円安。トヨタは後場マイナスの時間帯もあり40円高と反発しきれない。ジェイテクト<6473>が97円高で年初来高値を更新し値上がり率7位、デンソー<6902>が95円高、KYB<7242>が17円高と自動車部品関連はしっかりしていた。ブリヂストン<5108>はSMBC日興証券が目標株価を引き上げて30円高だった。
ソニー<6758>19円安、シャープ<6753>2円高、日立<6501>2円高、東芝<9502>1円安と電機もふるわない中でセイコーエプソン<6724>が買いを集め111円高で年初来高値を更新した。半導体関連のアドバンテスト<6857>は21円高、スパッタリング装置など真空技術のアルバック<6728>は野村證券が目標株価を引き上げ32円高になった。キヤノン<7751>は三菱UFJ証券が目標株価を引き上げて10円高だったが、リコー<7752>は24円安だった。
米倉弘昌経団連会長のおひざ元の住友化学<4005>はメリルリンチがレーティングを引き上げ26円高で値上がり率5位、売買高9位。三井化学<4183>が連れ高して3円高で売買高14位。東京製鐵<5423>は「1月に2ヵ月連続で主要鋼材値上げ」と報じられたのを好感され6円高。鉄スクラップ価格が高騰しているためで、資材高騰がゼネコンの収益をまた悪化させそうだ。
その建設セクターは三井住友建設<1821>が2円高。熊谷組<1861>が6円高。公募増資発表後に低迷した大豊建設<1822>は303円の公募価格が決定すると上昇をみせて5円高だった。国土交通省が中古住宅の改修に100~200万円の補助金を出すと報じられ、住宅リフォーム関連のLIXILG<5938>が113円高、ウエストHD<1407>が17円高になり、建設業界への人材派遣が主力の夢真HD<2362>が109円高で年初来高値を更新。飯田GHD<3291>は、前日発表した通期見通しが純利益353億円で建売住宅は消費増税後の来期以降も好業績が見込まれ、101円高で値上がり率13位に入った。