NISA買いでは、どんな銘柄が買われるのだろうか。今年は年末年始の休場が例年より2日長く、「年末に仕込んで『株を枕に年越し』するのは危険」と警告している人がいるが、NISAは本来、年末に仕込んだ株が大発会以後に大幅下落して「株を枕に討死した」とボヤくような短期投資目的で使うものではない。そんな使い方をしたらアッと言う間に年間100万円の枠を使い切ってしまう。NISA買いは、少なくとも1年以上は保有する中・長期投資の買いで、制度自体も個人投資家を個別株や投資信託の長期保有に誘導するように、巧みに設計されている。
そのため、26日から個別株のNISA買いが予想されるのは時価総額が大きく下落のリスクが小さいトヨタやメガバンクのような資産株や、キヤノン<7751>のような配当利回りの良い大型株だろう。個人投資家に人気があっても、浮き沈みの激しいゲーム・コンテンツ関連株やマニアックな低位株はNISA向きではない。そんな株でも投資信託を通じてファンド買いが入る可能性はあるが、NISAで買われる投資信託はインデックスファンドが主体と予想される。日経225採用銘柄、時価総額が大きくTOPIX寄与度の高い銘柄、さらにROEに優れ新指数「JPX日経400」寄与度の高い銘柄などがより多く買われることになりそうだ。
そうなると、26日は「トヨタ、ストップ高比例配分」という驚天動地の事態の可能性もゼロではない。時価総額が大きい銘柄が買いを集めてTOPIXの上昇につながる。クリスマスで海外の機関投資家がお休みで、先物主導で株価指数が動かされる要素が小さいため、26日は「現物株、TOPIXが主導した日経平均株価上昇」という珍しい現象が起き、拡大してきたNT倍率は一気に圧縮されそうだ。日経平均とTOPIXの先物を両建てするサヤ取りトレードをしていれば決済してポジションを手じまいする絶好機だが、現物株指数への影響はニュートラルだろう。
そんな予想を立てると、26日はFOMC直後の19日は日経平均が伸びきれずあと51円足りなかったザラ場中の年初来高値の更新、さらに16000円の大台乗せに再チャレンジするチャンスになりそうだ。達成すればTOPIXは1300にタッチしていることだろう。これは「掉尾の一振」のアノマリーなどではなく、証券税制を1月1日から大きく改めることで生じる、要因が明確な政策効果である。
ということで、25日までは円安の修正や節税対策売りで凹んだとしても、26日からはNISA買いによって平均株価は上昇し、今週の日経平均の変動レンジは15500~16100円とみる。NISA買いに売りポジションで立ち向かいそうな勢力はクリスマスで家族サービス優先中。鬼の居ぬ間に洗濯だ。(編集担当:寺尾淳)