18日に財務省により発表された11月貿易統計速報によれば、貿易収支(原数値)は1兆2929億円の赤字となったことが分かった。輸出に大きな回復傾向が見られない一方、輸入は高水準をキープし、その結果2ヶ月連続での1兆円台の大幅な赤字という結果となった。赤字そのものは17ヶ月連続で続いており、また1兆2929億円という数値は、過去3番目となる大幅な赤字だ。
輸出は前年比で18.4%アップの5兆9005億円で、9ヶ月連続での増加となった。自動車(30.1%アップ増)、鉱物性燃料(77.9%アップ)、有機化合物(33.1%アップ)などが増加した。
また輸入は、前年比で21.1%アップの7兆1933億円で、13ヶ月連続での増加となった。原粗油(34.9%アップ)、液化天然ガス(37.4%アップ)、航空機類(240.4%アップ)などが増加した。
地域別でみてみると、中国向けの輸出は前年比で33.1%アップと、8ヶ月連続での増加となった。自動車(241.6%アップ)、自動車の部分品(109.1%アップ)、有機化合物(37.9%アップ)などが増加した。また輸入は前年比で19.4%アップと、11ヶ月連続での増加となった。
米国向けの輸出は前年比で21.2%アップと、11ヶ月連続での増加となった。自動車(38.5%アップ)、原動機(16.1%アップ)、建築用・鉱山用機械(35.7%アップ)などが増加した。また輸入は前年比で34.9%アップと、8ヶ月連続での増加となった。航空機類(391.0%アップ)、石油製品(391.0%アップ)などが増加した。
欧州連合(EU)向け輸出は前年比で19.4%のアップで、6ヶ月連続での増加となった。自動車(34.7%アップ)、医薬品(72.6%アップ)などが増加した。また輸入は前年比で5.9%アップと、14ヶ月連続での増加となった。液体天然ガス(96.4%アップ)などが増加し、有機化合物(28.6%ダウン)などが減少した。
貿易赤字(季節調整値)は前月比で23.9%アップ。
この11月貿易統計を受けて市場内では、「原油エネルギーに加えて、航空機類の増加の影響を受けて輸入は高水準となった。航空機類の輸入アップは特殊要因であると考えられるが、その一方で輸出の伸び悩み傾向が続いており、短期的に株価にネガティブ、債券にポジティブに働く可能性があるのでは」といった見方もなされている。(編集担当:滝川幸平)