新型ハリアーが月間販売目標の8倍の受注2万台が意味すること

2013年12月23日 18:54

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トヨタは新型ハリアーが、11月13日の発表からおよそ1カ月にあたる月11日時点で約20,000台を受注したと発表した

 いつの頃からか、世の中は、グローバリゼーションが正しいという風潮になってきていて、世界標準・グローバルスタンダードという言葉がもてはやされている。しかし、その一方で、対極のローカリゼーションという流れも確実に起きている。どちらが正しいという論議は横において、気持ちが穏やかで、快適なのは、地域性を優先するローカリゼーションであることは間違いないだろう。

 トヨタ<7203>は新型ハリアーが、11月13日の発表からおよそ1カ月にあたる月11日時点で約20,000台を受注したと発表した。

 ハリアーは1997年のデビュー時から、海外では「レクサス」ブランドとして販売されている。「高級セダンの乗り心地と快適性を兼ね備えたSUV」のコンセプトで開発され、これが特に北米で爆発的人気となり、「高級クロスオーバーSUV」という新たなジャンルを作り出した。その後、このモデルを追うように、BMW・X5やポルシェ・カイエン、ボルボ・XC90などの多くのフォロワーを生み出した。ハリアーは初めからグローバリゼーションモデルだったのだ。

 その後、3代目から、国内でも「レクサス」ブランドに移行して、2代目をそのままハリアーとして継続販売していた。そして今回のモデルチェンジにより国内専売車種となったわけである。その結果、月間目標販売台数の2,500台の実に8倍の数字、20,000台をわずか1カ月で叩き出したのだ。トヨタはこの高いセールスを、「流麗で力強いエクステリアや、高級感ある洗練されたインテリアなど、ハリアー独自のブランドイメージを継承しつつ進化させたデザイン」と表現している。もちろん、その通りだと思うが、それ以上にターゲットを日本人に絞った事で、世界を相手にした最大公約数的なボディデザインや内装などから解放されたことが大きいと考えられる。グローバリゼーションからローカリゼーションへの回帰による成功を、ハリアーは自動車業界の中で、いち早く実現したといっていいだろう。(編集担当:久保田雄城)